メニュー

新型コロナ感染したあと、どのくらい期間あければワクチンうけていいの?

[2022.03.09]

小児科医の杉原です。

外来診察でよくある質問です。

 

Q①:オミクロン株になり低年齢始め小児の新型コロナ感染が多数発症してます。

新型コロナ罹患後どれくらいの期間をあけて他のワクチン接種をすればいいでしょうか

 

Q②:新型コロナ罹患時には新型コロナワクチン接種はどのようにしたらいいでしょうか。

 

 

これに関してのお答えですが

 

A

「小児の外来診療におけるコロナウイルス感染症 2019(COVID-19)診療指針(第2版)」

2021 年(令和 3 年)9 月 29 日 小児 COVID-19 合同学会ワーキンググループ

(日本小児科学会・日本小児感染症学会・日本外来小児科学会)

のQ12が該当すると杉原は考えております。

 

【第2版】小児の外来診療におけるコロナウイルス感染症2019(COVID-19)診療指針.pdf (jspid.jp)

からコピペしますと

 

Q12:COVID-19 の患者は、回復後、どれくらい経てばワクチン接種が可能か?

A12:COVID-19 患者の予防接種(SARS-CoV-2 ワクチン以外)は、症状消失後 2〜4 週間程度(無症候性では診断後 2 週間程度)、SARS-CoV-2 ワクチンは症状消失後 4 週間程度の延期が目安となる。

 

 

【解説】

現段階で、SARS-CoV-2 の病原性や人体の免疫機能に与える影響については不明であるが、他のウイルス性疾患については接種の延期期間の記載がある。① 手足口病、伝染性紅斑、突発性発疹、かぜ等の場合は治癒後 1〜2 週間程度、② 麻疹では治癒後 4 週間程度、③ 風疹、おたふくかぜ、水痘では治癒後 2〜4 週間の延期が目安とされている。

以上より、COVID-19 患者の予防接種(SARS-CoV-2 ワクチン以外)は、他のウイルス性疾患を参考に症状消失後 2〜4 週間程度(無症候性では診断後 2 週間程度)の延期が目安となる。ただし、接種の可否の最終判断は、問診および予診によって接種医師が決定するべきである。また、COVID-19 患者の濃厚接触者については、COVID-19 の症状が出現しないことを 2 週間観察したうえで接種を行う。上記に該当しない場合は、可能な限り通常の予防接種スケジュールでの接種を行うことが重要である(Q19 参照)。

現時点で、COVID-19 患者の SARS-CoV-2 ワクチンの延期期間について国内での指針はないが、英国では4週間としている。また、抗体療法を受けた COVID-19 患者については、米国では 90 日間の延期としている。

 

【参考資料】

1) 予防接種に関する Q&A 集 2020 年版. 日本ワクチン産業協会, 2020:

http://www.wakutin.or.jp/medical/

2) 既感染者への接種について. 第 21 回 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料より抜粋:

https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0028.html

 

 

追記2022/03/12

 

Q: 新型コロナウイルスに感染したことのある人は、ワクチンを接種することはできますか?

A:初回(1回目・2回目)接種、追加(3回目)接種にかかわらず、新型コロナウイルスに感染した方もワクチンを接種することができます。

 

新型コロナウイルスに感染した方は、初回接種、追加接種にかかわらず、ワクチンを接種することができます。これは、このウイルスが一度感染しても再度感染する可能性があることと、自然に感染するよりもワクチン接種の方が、新型コロナウイルスに対する血中の抗体価が高くなることや、多様な変異に対する抗体の産生も報告されているからです(※1~4)。 米国CDCでは、感染歴にかかわらず、5歳以上の全ての人にワクチン接種が推奨されています。これには、感染後の症状が長引く人も対象に含まれています。蓄積されつつあるエビデンスによると、より感染性の高い変異株が流行している状況下においても、感染後のワクチン接種が、その後の感染に対する防御をさらに高めるとされています(※5)。 新型コロナウイルスに感染してから接種するまでの期間については、初回接種、追加接種にかかわらず、感染後、体調が回復して接種を希望する際には、その治療内容や感染からの期間にかかわらずワクチンを接種することができます。モノクローナル抗体や血漿療法による治療を受けた場合も、本人が速やかにワクチン接種を希望する場合には、必ずしも一定期間を空ける必要はありません。 米国CDCは、過去に抗体製剤(モノクローナル抗体または回復期血漿)の投与を受けた方も、接種を延期する必要はないとしています(※5) 感染歴のある方に対する追加接種については、諸外国の動向や、現時点で得られている科学的知見(※6)等を踏まえ、厚生労働省の審議会において議論された結果、初回接種を終えた後に感染した方では、感染してから追加接種までの間隔について、暫定的に3か月を一つの目安にすることとされました。 ただし、この場合も、追加接種は2回目接種から6か月が経過している場合に限ります。(例:2回目接種から4か月後に感染し、その後回復した場合、追加接種は2回目接種から7か月後が一つの目安となります。) なお、感染から回復後、期間を空けずに追加接種を希望する方についても、引き続き接種の機会を提供していきます。 隔離期間中は、感染性(他の方へ感染させる可能性)が十分低下していないので、外出はお控えください(濃厚接触者も同様です)。 (参考資料) 既感染者への接種について(第21回 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料より抜粋) 既感染者に対するワクチン接種の効果等(第24回 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料より抜粋) 既感染者への新型コロナワクチン接種に関する諸外国の対応状況等(第30回 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料より抜粋)

※1:Nature. 2020;586:594-599 (COVID-19 vaccine BNT162b1 elicits human antibody and TH1 T cell responses)

※2:N Engl J Med. 2021;384:80-82 (Durability of Responses after SARS-CoV-2 mRNA-1273 Vaccination)

※3:CDC. Science Brief: SARS-CoV-2 Infection-induced and Vaccine-induced Immunity

※4:N Engl J Med. 2022;386:698-700 (SARS-CoV-2 Omicron Variant Neutralization in Serum from Vaccinated and Convalescent Persons)

※5:CDC. Interim Clinical Considerations for Use of mRNA COVID-19 Vaccines Currently Authorized in the United States ※6:Cell. Published online Jan 2022 (SARS-CoV-2 breakthrough infections elicit potent, broad, and durable neutralizing antibody responses)

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME