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え?Covid-19新型コロナは発症6日以後はほとんど感染しないッ!?という論文

[2020.05.04]

院長の杉原 桂です。

西伊豆健育会病院 仲田和正先生からおどろきの論文を紹介されました。

JAMA Internal Medicine, May 1, 2020

 

Contact Tracing Assessment of COVID-19 Transmission Dynamics in Taiwan and Risk at Different Exposure Periods Before and After Symptom Onset

こちらは、5/1発表のほやほや論文ですね。

タイトルは、台湾におけるCOVID-19伝達ダイナミクスと症状発症の前後における暴露リスク(感染力)の違い

ですね。翻訳はグーグル翻訳にスギハラ補正かけております。(笑)

Key Points

Question  How about the rate of transmission in coronavirus (COVID-19)  to close contacts?

コロナ(COVID-19)の感染者への伝染性はどの程度だろう、ということが知りたい疑問です。これに答えるために調べたわけです。

Findings  From this case-ascertained study of 100 cases of confirmed COVID-19 and 2761 close contacts, the overall secondary clinical attack rate was 0.7%.

The attack rate was higher among contacts whose exposure to the index case started within 5 days of symptom onset than those who were exposed later.

わかったこと。

100例の新型コロナ感染確定者と、2761例の濃厚接触者を追跡調査したら全体的な二次臨床発作率は0.7%でした。
発症後5日以内に接触したほうが、それよりあと(6日以後)よりも感染力が高かったのです。

Meaning  High rate transmissibility of COVID-19 in before and after symptom onset suggests that only finding and isolating symptomatic patients may be insufficient to stop transmission, and that more generalized measures might be required, such as social distancing.

つまり、

 
 
最大のポイントは「COVID-19感染は発症前から発症5日で最多で6日以後はほとんど感染しない!」だと思います!
 
これ、医療者にとってはすごくインパクトあります。
 
どんな風邪でも今では(コロナの疑いは忘れちゃいけないよな)と思いつつも、(背景に濃厚接触者との接触とかないし、ふつうの風邪の可能性も高いからな)
とか考えながら診察しているわけですが
 4、5日たってからなかなか治らないねーというころに僕らはじわじわと新型コロナの疑いを高めて、状態をさらに注意深く診察しているのです。
 
で、その中から肺炎など、入院しないと家とか外来の診察だけでは無理だよなーと思ったら病院に連絡するわけです。
でも、大抵の場合、そういうケースは発病6日たってることがほとんど。
 
これまで病院では、そういう人も感染源と思って対応してましたから(わからないんだから当たり前ですね)
とうぜん、皆さんフル装備ですね。予防技、グローブ、N95マスク、ゴーグル、靴にもカバー、ヘッドカバーなどなど。これ全部使い捨てが原則(無理なので消毒したりしてリサイクルしてましたが)発展途上国にはまず無理な戦術です。
 
 
ところがこの論文が本当なら、もうそれほどフル装備いらなくね?
ということになるわけです。
この論文1本で日本全国の病院での対応が全てがらりと変わるとは思いませんが、徐々にこの検証がなされていけば病院で仕事をする人たちにとってはとてもいいニュースです。
 
僕らのようなクリニックでは、発熱初日から対応しますので、リスクはかわりません。なので、オンライン診療をメインにもってくるようにしています。
 
 
疑問がわく人もいると思うんです。
7日目あたりで急に重症肺炎なっている人、あれ何よ?
 
もしかすると、ウイルスが増殖して肺にわんさかいる、そんなイメージになっているかもしれませんが
花粉症と同じように、人体側での防衛反応が過剰にもえあがっちゃってひどい状態になっている、という可能性もなくはありません。
 
このあたり、これからだんだん実態がつかめるようになってきています。
 
地球規模で歴史に残るような感染災害がおきていますが、過去の戦争時代とちがって人間同士が傷つけ合うことがないのが救いかもしれません。
(だから医療者や感染者への差別やめてほしい)
 
あるいはウイルスや感染症はこれまで、常に戦争や戦いの例えで表現されてきましたが、そろそろそういう考え方もおわりを迎える時代なのかも、と考える日々です。
 
 

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