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面倒くさい?大事な風疹ワクチン5期接種!

[2019.08.20]

風しん抗体検査・風しん第5期定期接種とは?

昭和37年度~昭和53年度生まれの男性の皆さん、
お住まいの自治体から、「風疹第5期」と書かれたお知らせを受け取っていますか?

昭和37年4月2日~昭和47年4月1日生まれの男性にも、来年度以降に届くそうです。

送付されたクーポン券をお持ちいただくと、
無料で風しんの抗体検査と予防接種を受けることができるのです。

当院でも実施しています。詳細はこちら

なぜ対象が男性だけなのか

1977年から風しんのワクチン定期接種が始まっていましたが、
当初は女子中学生だけが対象でした。

そのため、この年代の男性の方は、風疹にかかっていない限り抗体がありません。

ご自身を守るためだけでなく、周囲のご家族や大切な方々、さらに「地域全体を守る=流行を止める」ためにも
抗体検査と予防接種をオススメします。

そもそも、なぜ第5期なのか

第1期 MR 1歳児
第2期 MR 小学校入学前1年間の幼児
第3期 麻しん 中学1年生 ※2008年度~2012年度のみ
第4期 麻しん 高校3年生相当年齢の者 ※2008年度~2012年度のみ
第5期 風しん 昭和37年度~昭和53年度生まれの男性

以前は乳児期に風しんワクチンを1回だけ接種していました。

現在は、第1期・第2期MR(麻しん風しん混合)ワクチンとして、乳幼児の段階で2回予防接種をしています。

風しんはワクチン接種でほぼ防げる病気で、2回打てばより確実に抗体がつきます。

ちなみに、第3期と第4期は期間限定のMRワクチン接種でした。
2007年から10~20代を中心に麻疹が全国流行したことを受けての措置です。

少し第5期と状況が似ていますね。

 

風しんの歴史

余談ですが、風しんの歴史について。

1966年6月28日の琉球新報にて「胎児の発育に影響 三日ハシカにかかった妊婦」という記事があります。

三日ハシカというのは風疹のこと。

こちらの論文(小児感染免疫vol.20 No.2 p.247-)を読むと、1964年米国に風疹大流行があったようで、そこから、沖縄に飛び火したと予想されます。

沖縄に 1965 年に風疹流行が発生したこと,CRS の 1 例を確認したことから,風疹の流行規模と CRS の出生状況を調べたいと思った.まず,那覇 市内の新聞社を訪問し,風疹関連記事を探した. 1964 年末~1965 年春の風疹流行,妊婦に対する 注意を喚起する保健所長会議の記事があった.学 童健診団員として,われわれは琉球政府差し回し のバスに乗って沖縄本島中部の小・中学校を訪問 し,学童健診を行った.この訪問した学校で教職 員の風疹罹患の聞き取りと児童生徒の出席簿によ る風疹欠席状況を調べ,教職員の罹患を含む風疹 流行が確認された.米国統治下の沖縄には,“琉球 列島米国民政府(United States Civilian Administration of Ryukyu Islands:USCAR;ユースカー)”と “琉球政府”,そして日本政府の出先機関“南方連 絡事務所(南連)”があり,私たちは南連と琉球政 府文教局の監督下にあった.

若い人は知らないかもしれないけれど、戦後1972年まで沖縄は米国の占領下にあったのです。

かつてワクチンパレードで僕がご一緒させていただいた加藤茂孝先生の論文を見ると、
「1965年には408名の先天性風疹症候群が生まれた」とあります。

先天性風疹症候群とは
・・・妊婦が風しんウイルスに感染すると、胎児も風しんウイルスに感染します。その結果、胎児に起こる合併症のことです。

ユアクリニックの職員の一人は沖縄県出身です。

同級生に先天性風疹症候群で障害をもった子がいたことを覚えているそうです。

風しんを題材にした作品もあります

遥かなる甲子園

廃校の夏

叫んでも…聞こえない!

お話はすべて同一の実話です。

マンガもクリニックにおいてありますので、ぜひ読んでみてください。

「コウノドリ4巻」には先天性風疹症候群のお話があるのでこちらもオススメです。

 

 

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