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食物アレルギーについて

食物アレルギーとは

食物アレルギーとは、食べたり、触ったり、吸い込んだりした食物に対して、体をまもるはずの免疫のシステムが、過剰に反応しておきる有害な症状をいいます。

食物アレルギーには、年齢によっておこりやすい特徴的なタイプがあります。
また最近の調査では、食物アレルギーの有病率は増加傾向にあることが分かっています。

中でも鶏卵、牛乳、小麦はアレルギーを起こしやすい食物ですが、ほかにも様々な食物がアレルギーをおこします。

食物アレルギーとまちがいやすい病気としては、表のようなものもあります。

食中毒 細菌やウイルスなどの病原体で汚染された食品やフグやきのこなどの自然毒を摂取した場合、複数の人に同時に発症することが多い。
食物不耐症 例)乳糖不耐症:乳糖が消化できない体質のため牛乳をのむと下痢をする。

薬理活性物質
(仮性アレルゲン)

例)サバのような痛みやすい魚の場合は、鮮度の低下により魚肉中にヒスタミンが産生されアレルギーと似た症状を起こす。
※購入した魚はすぐに冷蔵庫に保存し、できるだけ早く食べましょう。また一部の野菜や果物にもヒスタミンは含まれています。

食物アレルギー年齢別原因食物

新規発症例の年齢別原因食物
平成20年 即時型食物アレルギー全国調査より(n=1,375)

 

0才
n=678

1才
n=248

2,3才
n=169

4-6才
n=85

7-19才
n=105

20才以上
n=90

1

鶏卵
55.6%

鶏卵
41.5%

魚卵
20.1%

ソバ
15.3%

果物類
21.9%

小麦
23.3%

2

牛乳
27.3%

魚卵
14.9%

鶏卵
16.6%

鶏卵
14.1%

甲殻類
17.1%

甲殻類
22.2%

3

小麦
9.6%

牛乳
8.9%

ピーナッツ
10.7%

木の実類
11.8%

小麦
15.2%

果物類
18.9%

4

 

ピーナッツ
8.5%

牛乳
8.9%

果物類
魚類
10.6%

鶏卵
10.5%

魚類
12.2%

5

 

果物類
小麦
5.2%

小麦
8.3%

 

ソバ
魚卵
6.7%

 

食べ物アレルギーを予防する目的で妊娠中・授乳中の母親と乳児を対象に卵や乳製品を食べないようにする予防的除去食療法が盛んに行われた時代がありました。

現在この予防法は完全に否定され、特定の食物の離乳開始を遅らせると、かえってその食物のアレルギーになりやすいという研究結果が数多く発表されています。

かつては食べることでアレルギーになると考えられていたのですが、現在は皮膚の湿疹部分から食物が浸み込むことの方がアレルギーの主な原因だと判明したためで、また症状が出ないことを確認しながら微量でも食べることが予防になることも分かってきました。

日本小児アレルギー学会が発表している最新予防法は、

  1. 旧来の予防的除去食は効果がない
  2. 肌荒れ・ 湿疹には軟膏を用いて赤ちゃんの皮膚を綺麗に保つ
  3. 離乳開始は早めたり遅らせたりしないで5・6ヶ月から始める
  4. 鶏卵の感作(検査が陽性)のみを理由とした安易な状況を指導することは推奨されない
  5. すでに発病している(じんま疹などの症状を経験したことがある)場合、安易に食べさせると重い症状の危険があるので医師の指導の下で食物負荷試験を行い安全範囲を確認しながら少しずつ量を増やすこと

などです。

心配だから、怖いから、検査でちょっと陽性だからといって除去すると逆効果になりやすいことが解っています。血液検査が陽性でも調理法や量を工夫すれば食べられることもあります。
かかりつけ小児科医や、アレルギー専門医に相談のうえ、 微量からでも食べさせることを試みてください。 

そして、まだ何も症状がでてないのに、離乳食を食べさせる前に採血して安全を確認しましょう、という医療機関があるようですが、これは医学的には全く無意味な検査方法です。

採血検査では食物アレルギーの診断はくだせないので、必ず除去テスト、負荷テストといって、実際に食べなければ症状がとまる、食べたら症状が出る、ことを確認する必要があります。

食物アレルギーの交差抗原について

食物に含まれているたんぱく質がアレルギーの原因とお伝えしましたが、ある食物でアレルギー症状が引き起こされる場合、似た構造を持っているたんぱく質が含まれる他の食べ物でもアレルギー症状が誘発されることがあります。これをアレルギーの交差抗原性(こうさこうげんせい)といいます。

牛乳・乳製品の基礎知識

成分無調整の生乳を静置すると上部にクリームが浮かびます。クリーム中の脂肪球を集めて固めるバターができます。

クリームおよびバターの殆どは脂肪ですが、0.5%程度のタンパク質(主に乳性蛋白)が含まれています。生乳を人肌程度に温めて酢を加えると、白いふわふわした沈殿物と無色透明な上澄みに分かれます。この沈殿物をカード(curd)、上澄みを乳漿(または乳清:whey)と呼びます。

牛乳を飲むと胃酸と反応して、赤ちゃんには消化困難な硬い塊(hard curd)ができます。このcurdを消化しやすく加工することをソフトカード化(soft curd)といい、現在市販されている粉ミルクはすべてソフトカード化されたミルクです。

無色透明の乳清にもタンパク質が含まれており、そのタンパク質の凍結乾燥末を日本の食品表示ではホエイ・パウダー(または単にホエイ)と表記しています。

カードを水切りしたものがチーズの原料で、チーズは牛乳の最強抗原蛋白、カゼインの塊ということになります。カゼインには独特に匂いと苦みがあるのでカビなどを使って熟成させます。

乳性蛋白はカゼインのようなクセがなく美味しいので様々な加工食品(レトルト食品、ビスケット、パン、サラダドレッシングなど)の旨み成分、まろみ付けとして添加されています。殆どのヨーグルトも、まろみを増す目的で生乳に乳清(ホエイ)を添加してあります。

また、化粧品や入浴剤の保湿成分として使用している製品もあります。アスリートがサプリメントとして使用しているプロテインも、ほとんどがホエイ・パウダー(ホエイ・プロテインと表記)です。

カゼインを加水分解したアレルギー用ミルクの代表が森永Ma Miで独特の匂いがありますが、乳清蛋白を加水分解した明治ミルフィーは通常の粉ミルクと匂い、味とも差がありません。

余談。牛乳を温めると表面にできる膜は?

牛乳を温めた時に表面に膜ができますが、加熱する時間と温度に比例してしだいに厚くなります。これはラムスデン現象といわれるもので、膜の成分は70%以上が脂肪で、たんぱく質は20~ 25%ですがβ‐ラクトグロブリン(以下、β‐LG)が 主体です。大豆の湯葉も同様です。

乳糖の知識と、食品表示の「乳糖」の落とし穴

牛乳の炭水化物の98%は乳精が占めています。乳精は小腸の乳精分解酵素でグルコース(ブドウ糖)とガラクトースの単糖2分子に分解される2単糖で分解後に吸収されます。

欧米系白人に比べて、日本人はもともと乳糖分解酵素が少ないので、牛乳を飲むと消化不良を起こしてガスが溜まってお腹がゴロゴロ鳴ったり下痢をする人がいます(乳糖不耐症)。

ヒトの母乳にも乳糖はたくさん含まれているのですが、新生児期から離乳が完了するまでの乳児期は、それ以降の年齢期に比べると乳糖分解酵素が多く分泌されるために乳糖不耐による下痢は稀ですが、細菌やウイルス性胃腸炎で小腸粘膜が損傷すると一時的に分解酵素の分泌が減少して下痢が長引くことがあります。

乳糖は粉薬の賦形剤(主薬が微量な場合の増量剤)として使われるほか、様々な食品にも甘味料として使われています。賦形剤に使われる乳糖(局法乳糖)は高度に精製されていますが、極微量のβ-LGが検出されたという報告があります。ごく微量の乳製品で重篤な症状の既往がある患児への使用は避けた方が良いでしょう。なお食品に添加される乳糖は局法乳糖に比べると、乳蛋白の混入が多いと言われています。

食品表示に「乳糖」を表記すると、前述のホエイ・パウダーを添加していても、その表記を省略して良いことになっています。乳糖を食べても大丈夫な牛乳アレルギーの子どもが、ホエイ・パウダーを添加しているソーセージ(ホエイの表示なし)てアナフィラキシーを起こした報告があります。「乳糖」表示の落とし穴です。「乳糖」の表示がある食品は、過去に重い症状の既往がある患児は避けた方が良いでしょう。

牛乳の栄養源としての評価

牛乳は蛋白源(200ml中、蛋白量約6.5g) としての価値もありますが、主にカルシウム(以下Caと略す)源としての価値が高く評価されています。

牛乳コップ一杯200mlあたりのCa量は227mgで、小魚(イワシ)中1尾(60g)のCa量42mgの5倍、干しヒジキ1食分8gのCa量112mgの2倍、かぶ(葉・生)1食分(1/2株)15gのCa量38mgの6倍で、1回の摂取量から換算すると牛乳には多くのCa が含まれています。

また、牛乳のCa吸収率は40%、魚(33%)や野菜(19%)と比べて優れており、この差は牛乳に含まれる乳糖や、カゼインの消化過程で生成するCPP(カゼインホスホペプチド)がCaの吸収に役立つ働きを持っているからと考えられています。

このように牛乳を含む乳製品はCa源として重要で、乳製品の完全除去を行う場合、特に実際の吸収効率を考えると、他の食品で乳製品に代わるCaを補うことは困難です。アレルギー用ミルクの使用が必要になります。

なお、第6次改定日本人の栄養所要量によると、生後6ヶ月から5歳のCaの摂取基準は1日あたり500mgです。 

 

牛乳小1パック(200cc)にかわる食品

牛乳(粉ミルク)の主要アレルゲン

牛乳200mlには6.5から7.0gのたんぱく質が含まれています。このたんぱく質のうちカードのたんぱく質が80%、乳清中のたんぱく質が20%の比率です。それぞれの代表的抗原を、下記の表1に示しますが、カードのαS1-カゼインとβ-ラクトグロブリン(β-LG)が牛乳の2大抗原です。

表1.主な牛乳アレルゲン

タンパク質

抗原

含有量

分子量
(kDa)

抗原性

耐熱性

カゼイン

 αs1-カゼイン
 αs2-カゼイン
 β-カゼイン
 K-カゼイン

Bos d 8

80%
30
9
29
10


23.6
25.2
24.0
19.0

+++

乳清蛋白

 α-ラクトアルブミン
 β-ラクトグロブリン
 血清アルブミン
 免疫グロブリン


Bos d 4
Bos d 5
Bos d 6
Bos d 7

20

4
10
1
2

 

14.2
18.3
66.3
16~90



++


表2.ホエイパウダー1g中の成分

カロリー

1.5Kcal

タンパク質
(β-LG)

51.8mg
(25.9mg)

脂質

4.7mg

炭水化物(乳糖)

317mg

カゼインには耐熱性があり沸騰させても抗原量(抗原活性)は低下しませんが、β-LGは常温では球状立体構造のものが72.8℃を超えると球形の解きほぐれが始まり、沸騰させると抗原活性は1/6(46μg/270μg)に減少すると報告されています(表3)。
一般的に抗原蛋白を1回に1mg以上摂取すると症例によってはアナフィラキシーを発症するとされているので、β-LG単独のアレルギー患者でも、無加熱のホエイ・パウダー0.02gが添加してある食品で(表2)、あるいは沸騰させた牛乳21.7ml(1000/46 21.7)で症状誘発の可能性があることになります(表3)。

卵の主要抗原の卵白アルブミンとオボアルブミンは20分固ゆで卵にすると、その抗原活性が1/20万、1/16.4に低下するのに比べ、牛乳のカゼインの抗原活性は低下せず、β-LGも1/6程度に低下するだけです。したがって牛乳製品は加熱調理しても抗原活性の低下はほとんどないと考えてよいでしょう。

表3.加熱による牛乳抗原の活性変化 牛乳1ml中の抗原量

調理条件

カゼイン

B-ラクトグロブリン

未処理

47mg

270μg

レンジ40℃

41mg

220μg

レンジ65℃

40mg

170μg

レンジ70℃

42mg

140μg

レンジ83℃

42mg

82μg

沸騰

45mg

46μg

図.牛乳特異IgE抗体陽性者におけるカゼイン、βラクトグロブリン感作の比重

牛乳特異IgE抗体陽性者におけるカゼイン、βラクトグロブリン感作の比重

牛乳(粉ミルク)負荷試験に用いる食材と実施上の注意

乳製品の解除を目指した負荷試験に用いる食材は牛乳(粉ミルク)、そのものを用いることが原則ですが、食べてくれない場合はヨーグルトや、 乳成分を微量に含んでいるお菓子を用いることもあります。その場合は、 後述するように食べた食品の乳蛋白量で牛乳何mlに相当するか計算が必要になります。

牛乳製品は他の食品に比べ閾値を超えると急激に症状が出現・進行する傾向があり、特に咳嗽、嗄声、喘息発作などの気道症状が強い傾向があります。
過去にショックや喘息発作などの重い症状の既往がある場合は、初回負荷試験の負荷開始量は牛乳0.1mlから開始し、負荷間隔を長めに設定することと負荷量を増量する場合は前回負荷量の1.2~1.5倍の容量増量法が安全です。

また、即時型症状の既往がある例でβ-LG特異的IgE抗体値が高い(17.5UA/ml)例には、沸騰後のものを用いると安全性が高くなります。この場合は家庭での食事に用いる食品も100℃に加熱したものとする必要があります。

即時型症状の既往がある例で、ミルク特異IgE値が17.5UA/ml以上の場合も初回負荷量は1ml程度の少量から開始し、喘息の既往がなければ倍々増量法で負荷量を増量します。

過去に即時型症状の既往がない例や、アトピー性皮膚炎のために乳製品の完全除去を行っていた例は、ミルク特異IgE値を指標に、17.5UA/ml以上の例には2mlから、10~17.5UA/ml未満の例には5mlから、3.5から10UA/ml未満の例には5mlから、3.5UA/ml未満の例には5~10mlから負荷を始めます。

小俣らの牛乳のプロバビリティカーブを図に示します。過去の誘発症状の重症度(その際に食べた量も)とミルク特異 IgE値及び負荷試験実施時の年齢の3者を指標に、慎重に初回負荷量を設定した方が良いでしょう。

時折、粉ミルクを飲んでいて症状がなかったのに、ミルク特異 IgE値陽性を根拠に完全除去を指導されていった例が転院してくることがあります。以前に飲めていた例は大丈夫なのでは?と考えがちですが、完全除去の期間が1ヶ月を超えている場合は、思わぬ強い症状が出現することがあります。ミルク特異 IgE値を参考に、場合によっては初回負荷量1~2mlから慎重に増量を目指したほうが無難です。 

図.プロバビリティーカーブ(牛乳)


牛乳RAST 3UA/mlの場合、負荷試験で症状が誘発される確率
1歳未満 約90%、1歳以上 約50%、2歳以上 約30%

第2回目以降の負荷試験の負荷量設定

前回負荷試験で症状が誘発されなかった例の次回負荷試験では、欲張って負荷量を多めに設定しがちですが、牛乳は閾値を超えると急に強い症状が出現することがあります。

特に、過去に即時型症状の既往がある例では、前回の倍量などと欲張らない方が無難でしょう。

牛乳負荷試験の裏ワザ!?

牛乳負荷試験では口周囲への付着した食物による症状(発赤、膨疹)が、他の食物に比べ強く出る傾向があります。飲んだ後は必ず口周りを水道水で洗いましょう。

牛乳を飲んでくれない場合は、「加工食品のアレルゲン含有量早見表」を参考にニュー成分を微量に含むお菓子を使った負荷試験をおこなうこともあります。

家庭での維持量(安全摂取範囲)の設定

負荷試験で症状が誘発されなかった場合はその日の最終負荷量を、症状が誘発された場合は伊藤浩明らの誘発症状のGradeに応じた維持量設定の表に準じて、家庭での安全摂取範囲とします。症状が誘発された場合も週に3~4回、できれば毎日食べることで耐性の獲得を目指します。

乳蛋白量を計算して摂取可能な食品を探す

牛乳抗原は加熱による抗原活性の変化がほとんどないので、負荷試験で安全量を確認した食品に含まれる乳蛋白量を計算し、他の食品の乳蛋白量と比較することで摂取可能な食品を探すことが可能です。

例えば、牛乳10ml(乳蛋白量0.3~0.4g)を負荷して無症状ならヨーグルト7~8g摂取可能、カルピス・ウォーター100ml摂取可能。牛乳25mlで無症状ならヤクルト65mlを1本(乳蛋白量0.8g)摂取可能といった具合です。

表4.市販の乳製品に含まれる食品表示の乳蛋白量(ケルダール法)一覧表

種類

メーカー

商品名

100ml中
蛋白量

1本(1個)中
蛋白量

牛乳

森永

おいしい牛乳

3.3g

6.6g/200ml

MEIJI

おいしい牛乳

3.4g

6.8g/200ml

MEIJI

満足カルシウム

4.2g

8.4g/200ml

ヨーグルト

ダノン

プレーン加糖

3.6g

2.7g/75g

森永

ビヒダス 4ポット

3.9g

2.9g/75g

MEIJI

ブルガリア・プレーン

3.4g

15.3g/450g

MEIJI

濃くておいしいブルガリア

6.6g

5.6g/85g

飲むヨーグルト

ヤクルト

ミルミル

3.2g

3.2g/100ml

メグミルク

毎日骨太一日分カルシウム

3.0g

5.9g/190ml

MEIJI

ブルガリア飲むヨーグルト
プレーン

3.1g

6.2g/200ml

チーズ

QBB

キャンディチーズ

 

1g/5g
(1個)

森永

クラフト
パルメザン粉チーズ

 

2.1g/5g
(一食分)

QBB

ベビーチーズ

 

3.0g/15g
(1個)

森永

クラフト
スライスチーズ

 

3.4g/18g
(一枚)

雪印

6Pチーズ

 

3.7g/18g
(1個)

乳飲料

森永

マミー・キッズ・トミカピーチ

0.4g

0.5g/125ml

カルピス

カルピスウォーター

0.3g

0.6g/200ml

ヤクルト

New ヤクルト

1.2g

0.8g/65ml

ヤクルト

ヤクルトAce

1.25g

1.0g/80ml

グリコ

スポロン

1.1g

1.1g/100ml

サントリー

サントリー ビックル

0.5g

1.1g/220ml

MEIJI

アンパンマン・ジョイ

1.04g

1.3g/125ml

ホワイトシチュー

ハウス

北海道クリームシチューの素

 

1.4g/18g
(1皿分)

バター

雪印

北海道バター

 

0.06g/10g

 

紛らわしい食品表示の一覧表 乳製品関連
〇は食べていいもの、●は食べられないもの

1)カゼイン●
チーズのもとになる牛乳固形分のたんぱく質で牛乳の主なアレルゲンです。

2)ホエイ・パウダー●
ホエイ(whey)は牛乳の上澄み(乳清または乳漿とも呼ぶ)のβ-ラクトグロブリンというたんぱく質で、カゼインと並ぶ牛乳の主要アレルゲンです。「うま味」、「風味づけ」の目的で様々な加工食品に使われています。

3)乳糖▲
牛乳中の糖分(二糖類)ですが乳清蛋白を微量に含みますので過敏な患者さんでは症状が出ることがあります。
また、乳糖を表示してあるとホエイの表示を省略して良いことになっています。乳製品で強い症状を起こした経験がある患者さんは食べない方が無難でしょう。

4)リカルデント●
歯磨き粉やガムのリカルデント(CPP-ACP)はカゼインを使っています。歯磨き粉やガムでアナフィラキシーを起こした子供の報告があります。

5)ショートニング▲
バター・ラードの代用品の植物性油脂で乳製品は含んでいませんが、トランス脂肪酸を含むため多量に食べると悪玉(LDL)コレステロールなどが増え、将来の成人病の原因になるのではないかと言われています。海外ではトランス脂肪酸の使用を禁止している国もあります。

6)乳化剤〇
「乳」の字に惑わされますが乳成分ではありません。化学合成したグリセリン脂肪酸エステルや大豆レシチン、 卵黄レシチンなどです。

7)乳酸カルシウム…〇 乳酸ナトリウム…〇
乳成分ではありません。乳酸は化学合成、または砂糖大根から分離した「果実酸」でアレルギーを起こすたんぱく質は含まれていません。
スポーツドリンク、イオン飲料、点滴液の成分などに使われています。 

卵乳小麦の摂取可能量

お菓子のアレルゲン早見表

 

森永ムーンライトクッキー

95.7

0.08

378

カルケット(カルケットC1)

0.23

4.32

4.29

おっとっと 薄塩味

0

5.95

1.59

ビスコ(クリームサンド)

0

4.25

181

プリッツ・ロースト

0

2.20

61.3

 

小麦粉製品(麺類・パン)の蛋白含有量

食品名

蛋白量

 

食品名

蛋白量

生うどん

6.80%

パン粉

10.20%

うでうどん

2.50%

食パン

8.40%

学校給食用ゆで麺

4.90%

コッペパン

8.50%

素麺ゆであがり

3.40%

フランスパン

8.50%

中華麺ゆであがり

4.50%

ロールパン

8.80%

沖縄麺ゆであがり

5.20%

クロワッサン

6.60%

パスタゆであがり

5.20%

あんパン

6.10%

生麩 12.70% ジャムパン 4.30%
竹輪麩 6.50% クリームパン 5.90%
    ホットケーキ 4.30%

全国調理師養成施設協会編.最新食品標準成分表より引用

 

12分固ゆで卵 Mサイズ1/4個を負荷して無症状の場合
摂取可能な食品の量(OVA 0.3mg以内、OVM1250mg以内)
 

食品名

OVAを基準にした
摂取可能量

OVM基準の
摂取可能量

卵ボーロ

摂取不可(1/10ヶまで)

通常量摂取可

ビスケット

摂取不可(1/5枚まで)

通常量摂取可

煮込みハンバーグ(全卵5g使用)

通常量摂取可(3ヶまで)

通常量摂取可

ハンバーグステーキ(全卵5g使用)

少量摂取可(2/5個まで)

通常量摂取可

マヨネーズ

少量摂取可(0.04gまで)

通常量摂取可

カステラ(1切れ:50g)

摂取不可(1/240切れまで)

通常量摂取可

バウムクーヘン(1切れ:50g)

摂取不可

通常量摂取可

シフォンケーキ(1切れ:85g)

摂取不可

通常量摂取可

標準的な調理法(温度、加熱持続時間)による製品1gあたりの抗原量です。
メーカーにより卵の使用量、温度、 加熱持続時間が異なることがあります。
伊藤節子著.乳幼児の食物アレルギー 診断と治療社 2012より引用改変

 

 Mサイズ全卵1/4個分で作った炒り卵を負荷して無症状の場合、摂取可能な食品

食品名

OVAを基準にした

摂取可能量

OVM基準の

摂取可能量

卵ボーロ

通常量摂取可

通常量摂取可

ビスケット

通常量摂取可

通常量摂取可

煮込みハンバーグ(全卵5g使用)

通常量摂取可

通常量摂取可

ハンバーグステーキ(全卵5g使用)

通常量摂取可

通常量摂取可

マヨネーズ

通常量摂取可

通常量摂取可

カステラ(1切れ:50g)

通常量摂取可

通常量摂取可

バウムクーヘン(1切れ:50g)

少量摂取可(約30g)

通常量摂取可

シフォンケーキ(1切れ:85g)

少量摂取可(約25g)

通常量摂取可

標準的な調理法(温度、加熱持続時間)による製品1gあたりの抗原量です。
メーカーにより卵の使用量、温度、 加熱持続時間が異なることがあります。
伊藤節子著.乳幼児の食物アレルギー 診断と治療社 2012より許可を得て引用。転載不可。

 

12分固ゆで卵黄中へのOVA,OVMの移行

卵黄分離までの時間

卵黄重量

卵黄1g中に含まれる抗原量

OVA

OVM

直後

15.48g

< 0.4μg

11μg

1時間

16.65g

1.3μg

380μg

3時間

17.70g

1.5μg

1.6mg

24時間 

18.80g

1.9μg

2.8mg

茹で上がり1時間後に分離した卵黄1ヶ中のOVM量 6.3mg(380μg/g×16.65g = 6.33mg)
症例によってはアナフィラキシーを起こし得る量が移行している。
重症例に卵黄だけでも負荷を試みたい場合は、茹で上がったらなるべく早く卵黄と卵白を分離して持参するよう指示しておく。

食物アレルギー診断のための経口食物負荷試験

説明および同意書

食物アレルギーとは「原因食物を摂取した後に免疫学的機序を介して生体にとって不利益な症状(皮膚、粘膜、消化器、呼吸器、アナフィラキシーなど)が惹起される現象」(注)です。
これらの症状を起こす原因の診断に血液検査(特異的IgE抗体)いや皮膚テストを参考にします。そして疑われた食物の除去を行い症状が改善するかどうかを見て行きます(除去試験)。
さらに診断を確実にするために経口負荷試験を行います。

食物アレルギーの治療は「 正しい診断に基づいた必要最小限の原因食物の除去」(注)です。
また除去食をすでに行っていて、もう食べられるかどうかを調べる場合にも経口負荷試験を行うことをお勧めします。

経口負荷試験の方法

固ゆで卵、牛乳、 小麦(うどん) など原因の食べ物を少しずつ量を増やしながら15分ごとに食べてもらいます。一定量を1時間ほどかけて食べていただき、症状が誘発されるかどうか1時間ほど観察します。合計約2時間で試験を終了します。症状の出方は個人でまちまちです。

通常は食べた直後から2時間以内に即時型症状が出ます。しかし、消化されたものが吸収されて症状を起こすまで数時間から数日を要する遅発型症状もあります。

誘発される症状は、かゆみやじんましんなどの軽いものから、重症な人はぜんそく発作や意識がなくなるようなショック症状まで様々ですので、より安全に実施することが大切です。

H18年4月から保険診療報酬の改定により食物アレルギー経口負荷試験が入院・ 外来ともに行うことができるようになりました。当院ではより安全に行うことができる外来での経口負荷試験のみを行うこととなりました。

ご質問がありましたらご遠慮なく担当医にお尋ねください。

注)厚生労働科学研究班による食物アレルギーの診療の手引き2014

 

食物アレルギー経口負荷試験をお受けになる患者様へ

  1. あらかじめ指示した食べ物を当日ご持参ください。
    □固ゆで卵(沸騰したお湯で15分以上ゆで、殻をむいてきてください)
    □完全に火の通った、だし巻き卵
    □パックの牛乳
    □ヨーグルト
    □うどん(十分火の通っためんで、食べやすい長さに切ってきてください)
    □豆腐
    □その他
     
    味付けに塩など持参されても構いません。また、今まで食べて異常がなかったベビーフードに負荷する食べ物を混ぜても構いませんので担当医にご相談下さい。
     
  2. いつも使っている、食器、コップ、フォーク、スプーン、ストローなどお子様が好むようなものをご持参ください。
    また、しっかり飲み込むため飲み物もご持参いただくようお願いします。
     
  3. 当日の朝は、全ての薬(飲み薬、塗り薬、吸入薬など)を中止してください。
     
  4. 当日体調が悪い場合は、 試験の延期をさせていただきますのでご連絡ください。

 

【実施手順】

  1. 検査予定日の決定
  2. オリエンテーションと担当医の診察の後、食物を負荷していただきます。
  3. 実施要領に従い負荷試験を開始します。試験はお昼ごろまでかかります。
  4. 負荷試験中に誘発症状があれば抗ヒスタミン薬などの内服、気管支拡張剤などの吸入、 場合によっては注射や点滴など必要な処置を行い症状が十分改善するまで経過観察します。

なお、治療上必要な場合は大学病院等に紹介して受診していただくこともあります。 

文責:杉原 桂

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