メニュー

不整脈について

健康診断で不整脈(心電図異常)と言われたら

心臓は筋肉の塊でできたポンプで、最適な速さで心房(心臓の上の部屋)と心室(心臓の下の部屋)が連携をとって収縮と拡張をくり返し拍動しています。
安静にしていると、成人の心臓は1分間に50~100回、一日あたり10万回 拍動します。心臓は、拍動することで肺から送られてきた血液を全身へ循環させ、からだに必要な酸素や 栄養素を運んだあと、二酸化炭素や老廃物を回収しています。

心臓は自動的に拍動しています。この自動的に拍動する理由として心臓の中を決まった電気が流れる仕組み(電気回路)があるためです。
この電気回路の異常を、「不整脈」といいます。電気回路の異常には様々な種類があるため不整脈も色々な種類に分かれます。

不整脈の種類は大きく分けると①単発的にでる不整脈(期外収縮)、②脈が早くなる不整脈(頻脈性不整脈)、③脈が遅くなる不整脈(徐脈性不整脈)、④死に至る不整脈(心室細動、心室頻拍、心停止)になります。
心電図で不整脈や心電図異常と診断された場合でも、何も治療をしなくていいものから、病院で治療が必要になるもの、突然死を起こすものまであります。

①単発的に出る不整脈(期外収縮)

普段は規則正しい正常な脈の間に異常な電気信号が突然出現して、心臓が早く打ってしまうものをいいます。これは、異常な電気信号が心臓のどこから出たかで心房性(上室性)と心室性に分類されます。
どちらも若く健康な人にも出ることがありますが、心筋症とか狭心症・心筋梗塞などの心臓病のある人で出やすくなります。そうした心臓病があるかないか、どの程度出現するかによって、心配かどうかすなわち治療すべきかどうかが分かれます。
症状としては動悸を感じる、一瞬胸の違和感が起こる、などが挙げられますが、無症状の場合もあります。

脈が速くなる不整脈(頻脈性不整脈)

1分間に100回以上心臓が打つ場合を頻脈といいますが、この頻脈の中にもいろいろな種類があります。

洞性頻脈

これは電気回路は正常ですが脈が速い場合です。運動中に脈が速くなるのも、洞性頻脈であり、生理的なもので心配ありません。しかし、脈拍数が常に100/分以上の場合は心不全以外に心臓以外の疾患(甲状腺疾患、炎症性疾患など)が隠れている場合があります。

心房細動

これは後述します。

発作性上室性頻拍

心房と心室の間で電気信号がぐるぐる回りを始めて、突然脈が速くなることを発作性上室性頻拍と言います。
幾つかの原因がありますが、そのなかで有名なものにWPW症候群があります。いつもは正常の速さですが、突然発作的に脈が速くなり、また突然発作が止まって正常に戻ることがあります。

脈が遅くなる不整脈(徐脈性不整脈)

心臓の打ち方が1分間に50以下の時あるいは脈の間隔が時々2秒以上に延びるものをいいます。この脈が遅い不整脈の中にも色々なものがあります。

洞性徐脈

これは電気回路は正常ですが脈が遅い場合です。スポーツ心臓症候群といわれる普段スポーツをしている人にしばしば見られることが多いです。

洞不全症候群

電気信号の正常の発信場所からの発信が遅すぎたり心房に伝わらなかったりして脈が遅くなるのを洞不全症候群といいます。

房室ブロック

電気信号は出るのですが、心房から心室へ信号がうまく伝わらない場合を房室ブロックといいます。そのため、心室の収縮が遅くなります。伝わらない程度によって、1度、2度、3度ブロックなどに分けられます。

④死に至る不整脈

突然死の主な原因にもなる、危険な不整脈です。

心室細動

心室全体がまとまって収縮せず、全身に血液を送り出すことができません。そのため、突然死の原因になります。除細動が有効であり、AEDで助かる不整脈の一つです。

心室頻拍

心室が早く脈を打ちすぎて血圧がほとんど出なくなる不整脈です。大部分は重症の心臓病のある方に出るのですが、一見健康な人に起こることもまれにあります。

危険な不整脈-心房細動

危険な不整脈は適切な診断と治療が必要になります。下記のような症状を示す場合には危険な不整脈の可能性があるので注意が必要です。

①急に意識がなくなる、失神する
②脈拍数が40回/分以下で体を動かすと息切れやめまいがする
③突然動悸が始まる

心房細動という不整脈も怖い不整脈の一つです。
読売巨人軍の終身名誉監督である長嶋茂雄さんが脳梗塞を発症し、懸命なリハビリの結果、野球観戦が出来るまでに回復しましたが、この脳梗塞の原因となったのがこの「心房細動」というタイプの不整脈でした。

心房細動は年齢に関係無く、誰にでも起こりえる不整脈です。
例えば大量に飲酒した翌朝に脈が乱れて速くなっていたりする時や甲状腺機能が亢進する時にも、心房細動になる場合があります。しかし最も多いのは、高齢となる事で起こり易くなる場合です。日本では50万人以上の方が、心房細動で苦しんでいると言われています。

心房細動になると、脈が一定でなく1分間に150~200回以上というとても速い間隔で打つ状態となっているので、かなり強い動悸が感じられます。
心房細動ですぐ死ぬ事はありませんが、この状態が長く続くと心房に血の塊(=血栓)が出来易くなります。それが血液の流れに乗って脳の血管に詰まるのが脳梗塞です。
また、常に心臓が全力疾走状態なので、長期間持続すると、心臓の筋肉が弱って心不全の可能性を高める事もあります。

心房細動の多くは薬で治療可能です。その際に、血の塊(=血栓)を作り難くする抗凝固薬も一緒に飲みます。しかし、心房細動を抑える薬は、最初は直ぐに効くのですが、徐々に抵抗性を持ち、薬が直ぐには効かなくなり心房細動が持続してしまう場合があります。このような場合には、高周波カテーテルアブレーション治療が行われる事もあります。

不整脈の診断と治療

不整脈の診断に欠かせないのは、まず心電図検査になります。心電図検査には数種類の方法があります。

①一般的な心電図検査

不整脈が出ているときであれば心電図検査で不整脈が捉えられ判明します。

②ホルター心電図検査

24時間の携帯型の心電計になります。不整脈がたまにしか出ない時にはホルター心電図をつけてもらい、後日コンピューターで調べます。これで、どの程度不整脈がでているか、危険な不整脈がでていないかが判明します。

③負荷心電図検査

ベルトコンベヤーにのり、運動中の心電図を調べたりする方法です。
基本的には不整脈の診断では、上記のもので診断を付ける場合が多いですが、電気生理学的検査を併用する場合もあります。
心電図は体表から電気信号をキャッチして記録したものですが、心臓の中で直接電気信号を記録して調べる方法を電気生理学的検査といいます。

治療は基本的には、まず原因となる心臓病があればそれを治療することと、不整脈そのものに対する治療となります。原因である心臓病、例えば心臓弁膜症、心筋梗塞等があれば、まずその治療を行ない、同時に不整脈に対する治療を行ないます。

治療方法としては、薬によるもの、ペースメーカーによるもの、カテーテルによるもの(カテーテルアブレーション)、さらには手術によるものがあります。
一般的には期外収縮や脈の速い不整脈には薬による治療、脈の遅い不整脈にはペースメーカー、死にいたる不整脈には植え込み型除細動器(ICD)を植え込みます。

不整脈があるからといってすぐに治療する必要はありません。しっかりと診察、検査を行ったうえで、症状がひどい場合、無症状でも将来恐ろしい合併症を引き起こす危険性がある場合に治療を開始します。

こんなときは当院にご相談ください

健康診断などで心電図異常の所見や不整脈の指摘があった場合、また動悸症状の持続、労作時などの息切れ、失神や意識を失うことが起きる場合、胸部の違和感などがある場合には不整脈から来ている可能性があるので一度当院にご相談ください。

また、過労やストレス、強い緊張、睡眠不足や多量の飲酒、カフェイン摂取、喫煙などは不整脈の原因となりうる生活習慣ですので、気をつけるようにしましょう。

 

文責:宮内 隆政

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME