大人の水痘・帯状疱疹ワクチン
大人・高齢者の予防接種について
年齢を重ねるにつれて、様々な疾患に罹患することがあります。もちろんどの年齢においても気をつける必要がありますが、特に高齢者はそうした機会が増加する傾向にあります。
しかしながら現在、疾患予防に有効とされ実施されているワクチンのいくつかは、現在の高齢者は小児期に接種されていません。また高齢者では、定期接種の接種記録の確認は難しいことが多いのが現実です。
受診医療機関が複数にわたる患者さんもいらっしゃいますので、医療機関同士の連携により、適切に接種のご案内を行うことが求められます。
帯状疱疹・水痘ワクチンについて
水痘については、こどものワクチンというイメージがあります。
しかし、この同じワクチンが2016年3月に従来の水痘ワクチンの50歳以上の者に対する帯状疱疹予防としての使用が承認されました。
水痘も帯状疱疹も同じウイルスであり、子供のころにかかった水痘によって、ウイルスは身体のなかにずっと潜んでおり、免疫がおちてきたときをねらって、今度は帯状疱疹という病気として発病してくるのです。
したがって同じワクチンが、違う名前の病気に効力を発揮するということになります。
米国、英国などにおいて、対象年齢は異なりますが、高齢者への推奨ワクチンとなっています。
帯状疱疹については、新規帯状疱疹ワクチンとしてシングリックスが2020年1月より発売されています。
水痘・帯状疱疹とは
水痘は、水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus;VZV)への初感染で発症する発熱・発疹性疾患で、全身に紅斑、丘疹、水疱、痂皮のそれぞれの段階の皮膚病変が混在することが特徴です。
初感染後、VZVは脊髄後根神経節に潜伏感染し、加齢や免疫力の低下により再活性化して、支配神経節支配領域の皮膚に帯状疱疹を発症させます。帯状疱疹の合併症である帯状疱疹後神経痛は、帯状疱疹治癒後も3カ月以上にわたって痛みが持続するという特徴があります。
ワクチンの種類・副反応・禁忌
種類 |
乾燥弱毒生水痘ワクチン |
シングリックス®筋注用 |
弱毒生水痘ウイルス(岡株)をヒト二倍体細胞で培養 【効能または効果】 【用法および用量】 |
遺伝子組換え水痘帯状疱疹ウイルス糖蛋白E(gE)にアジュバントシステム(AS01B)を添加したサブユニットワクチン 【効能または効果】 【用法および用量】 |
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副反応 |
一般的なワクチンでみられる副反応以外では,接種後1~3週間頃に、発熱、発疹、水疱性発疹が発現することがある |
一般的なワクチンでみられる副反応以外で,本ワクチン特有のものはない |
接種不適当者 |
本剤におけるアナフィラキシーの既往、明らかに免疫機能に異常のある疾患を有する者および免疫抑制をきたす治療を受けている者(水痘予防を目的として使用する場合を除く※)、妊娠していることが明らかな者 |
本剤におけるアナフィラキシーの既往 |
※水痘の予防を目的とした場合、免疫機能が低下している者に対しても一定の基準を設けて接種可能な唯一の生ワクチンであるが、接種後2週間以内に治療等により末梢血リンパ球数の減少あるいは免疫機能の低下が予想される場合は接種を避けること
壮年の接種スケジュールと概要
- 水痘予防のための定期接種としての接種は、定期接種として追加接種の規定はなく、任意接種となります。水痘の罹患がなく、2回の接種歴がなければ、4週間以上の間隔をあけて0.5mLずつ2回の弱毒生水痘ワクチンの皮下注射が必要です。
- 50歳以上であれば、帯状疱疹予防のために,弱毒生水痘ワクチンを1回皮下注またはシングリックス®を2カ月の間隔をあけて2回筋注することが望ましいです。ただし再接種の時期は明らかになっていません。
高齢者の接種スケジュールと概要
- 高齢者は幼少時に水痘に罹患していることが多く、年齢とともに細胞性免疫が低下した結果、帯状疱疹を発症し、帯状疱疹後神経痛を続発するリスクが高いことから、帯状疱疹ワクチンの接種が推奨されます。
- 50歳以上であれば、帯状疱疹予防のために,弱毒生水痘ワクチンを1回皮下注またはシングリックス®を2カ月の間隔をあけて2回筋注することが望ましいです。ただし再接種の時期は明らかになっていません。
ユアクリニックでのワクチン接種料金
- シングリックス 22,000円(税込)x2回
- 水痘ワクチン 6,600円(税込)x1回
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帯状疱疹ワクチン(シングリックス)は取り寄せになりますので、ご希望の方はお電話にてお問い合わせください。