子どもを守るために知っておきたい!電動キックボードと電動スクーターの危険性
近年、都市部を中心に電動キックボード(以下、電キック)や電動スクーター(以下、電スク)の利用が急速に増えています。これらは「特例特定小型原動機付自転車」という分類に属し、特定の条件下で歩道を走ることも許可されています。しかし、この新たな交通手段は、子どもや高齢者、視覚障碍者を含む歩行者にとって深刻な安全リスクをもたらす可能性があります。
電動キックボードと電動スクーターとは?
電キックと電スクはどちらもバッテリー駆動の小型乗り物であり、免許不要で利用できます。特に電スクは座席があり、より高い安定性を持つものの、速度も上がりやすく、車道と歩道のどちらも利用可能なため、交通ルールの遵守が重要となります。
2025年3月14日から東京都では電スクのシェアリング事業が開始され、都内各地でレンタルが可能になります。しかし、利用者のルール遵守が不十分である現状を考えると、これが新たな事故を引き起こす可能性も懸念されています。
6km/hの速度制限は機能するのか?
特例特定小型原動機付自転車には「歩道走行時は6km/h以下」という速度制限が設けられています。しかし、実際にこの速度を守る利用者はほとんどおらず、車道モードのまま高速で歩道を走行するケースも頻繁に目撃されています。
特に以下のようなリスクが指摘されています。
- 子どもが衝突される危険性:視野の狭い幼児や小学生は、電スクの接近に気づかず飛び出してしまう可能性があります。
- 視覚障碍者への脅威:静音性の高い電スクは接近に気づきにくく、衝突事故のリスクが高まります。
- 高齢者の転倒リスク:速度を出した電スクが近づくことで、高齢者が驚き転倒する危険性があります。
子どもの事故予防のためにできること
子どもたちを守るために、以下のような対策が必要です。
1. 歩道では電スクに注意する習慣をつける
電スクの普及に伴い、子どもたちには「歩道でも後ろから高速で乗り物が来るかもしれない」という意識を持たせることが重要です。信号のない横断歩道を渡る際や、店舗の出入り口などでは特に注意を促しましょう。
2. 学校や保護者向けに注意喚起を行う
学校やPTAで、電スクがもたらすリスクについて周知を行い、子どもたちへの指導を強化することが大切です。「歩道では突然走ってくる乗り物に注意する」「視界の悪い場所では急に飛び出さない」といった基本的なルールを伝えましょう。
3. 行政への働きかけ
東京都の施策に対し、子どもや歩行者の安全確保を求める声を上げることも重要です。安全対策の強化を求める意見を自治体に届けることで、より安全な交通環境の整備につながる可能性があります。
まとめ
電スクや電キックの急増は、都市の移動手段としての利便性を高める一方で、歩行者、特に子どもたちにとって新たな危険要因にもなっています。安全な歩行空間を確保するためには、利用者のモラル向上だけでなく、保護者や教育機関による啓蒙、行政への適切な働きかけが不可欠です。
子どもたちが安全に過ごせる街づくりのために、今こそ真剣に考える必要があります。