本当はこわい痛風のはなし
痛風とはどんな病気?
Aさん: 先生、痛風ってよく聞きますけど、どんな病気なんですか?
内科医: 痛風は、血液中の尿酸という物質が多くなりすぎて、それが関節に溜まることで炎症を引き起こす病気です。結果として、激しい痛みや腫れが出ます。
Aさん: 尿酸って何ですか?
内科医: 尿酸は、食べ物に含まれる「プリン体」や、体の細胞が壊れたときに作られる代謝産物です。尿酸が溜まると「高尿酸血症」となり、この状態が続くと痛風を引き起こしやすくなるんです。
痛風は人間だけ?
Aさん: 痛風って、人間特有の病気なんですか?
内科医: いいえ、実は鳥や恐竜にも痛風があったと考えられています。ただし、多くの動物は尿酸を分解する酵素を持っているので、痛風にはなりにくいですね。
Aさん: 人間はなぜその酵素を失ったんですか?
内科医: 人間や霊長類は進化の過程で、ビタミンCを自分で作る能力を失いました。その代わり、尿酸が抗酸化作用を持つようになって、体を守る役割を果たすようになったんです。しかし、尿酸値が高くなりすぎると、そのバランスが崩れて痛風につながるんですよ。
痛風の症状と原因
Aさん: 痛風になると、どんな症状が出るんですか?
内科医: 痛風は突然、足の親指の付け根などの関節が赤く腫れ、熱を持って激しい痛みを感じるのが特徴です。痛風の初発作では片方の足だけに症状が出ることがほとんどです。
Aさん: どうしてそんな激しい痛みが出るんですか?
内科医: 尿酸が結晶化して関節に溜まると、体の免疫がそれを攻撃します。その結果、炎症が起きて激しい痛みを引き起こすんです。
Aさん: 何が原因で尿酸が増えるんでしょうか?
内科医: 食生活が大きく関係しています。プリン体を多く含む食品やアルコール、運動不足、肥満などが主な原因です。また、遺伝的な要因も影響します。
痛風は治るの?
Aさん: 痛風になったら、治すことはできるんですか?
内科医: 痛みを抑える治療や、尿酸値をコントロールする薬を使えば、症状を管理することは可能です。ただし、一度高尿酸血症になると完全に治すのは難しいこともあるので、予防がとても大事です。
Aさん: どうやって予防すればいいんでしょうか?
内科医: まず、食生活を見直すことが必要です。肉や魚、アルコールを摂りすぎないこと、そして水分をたくさん摂ることで尿酸を体外に排出しやすくすることが効果的です。また、適度な運動をして肥満を防ぐことも重要です。
痛風の怖さ
Aさん: 痛風って痛いだけでしょ?それ以外に怖いことってあるんですか?
内科医: 痛風が続くと、尿酸が血管にも影響を及ぼすことがあります。これを「血管内痛風」と呼び、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞のリスクを高めます。痛みがなくなっても、こうした合併症が進行していることもあるんです。
Aさん: 痛みがなくなったら治ったわけじゃないんですね。
内科医: その通りです。痛みがなくても、尿酸値をしっかりコントロールしないと、将来的に大きな病気を引き起こすリスクがあります。
痛風患者へのアドバイス
Aさん: 痛風の治療って、何から始めればいいですか?
内科医: まずは痛みを抑える治療を行い、炎症が落ち着いてから尿酸値を下げる薬を始めます。ただし、薬の使い方にも注意が必要で、急激に尿酸値を下げると、逆に発作を引き起こすことがあります。
Aさん: 自分だけで治療を進めるのは難しそうですね。
内科医: そうですね。専門医の指導を受けながら、焦らずじっくりと治療を進めることが大切です。そして、生活習慣の改善も同時に行いましょう。
痛風は、放置するとさまざまな合併症を引き起こす可能性があります。適切な治療と生活習慣の見直しで、健康な毎日を取り戻しましょう。