5種混合ワクチンって安全なの?
こんにちは、小児科専門医の杉原 桂です。
2024年春から「5種混合ワクチン」が登場し、これまでの「4種混合ワクチン+ヒブワクチン」の組み合わせに代わる新しい選択肢ができました。しかし、「4種混合ワクチンを接種した子どもが5種混合ワクチンに切り替えても問題ないの?」と気になる保護者の方も多いのではないでしょうか?
この疑問に答えるために、日本では2つのワクチン「クイントバック」と「ゴービック」について臨床研究が行われました。
5種混合ワクチンの安全性と効果は?
研究の結果、
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安全性:大きな問題は認められませんでした。
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免疫効果(抗体価の上昇):
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互換性(4種混合+ヒブから5種混合へ切り替えること)に問題なし
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ヒブワクチンに関しては、5種混合ワクチンの方が抗体価が高くなる傾向あり
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つまり、5種混合ワクチンを追加接種として使うことに関して、安全性の懸念はなく、むしろヒブワクチンの効果が向上する可能性が示唆されました。
これからどうなるの?
今回の研究は、あくまで臨床研究(医療現場での検証)であり、これだけで厚生労働省の正式な方針やワクチンの添付文書が変更されるわけではありません。しかし、小児科医の間では「5種混合ワクチンへの切り替えは有力な選択肢になりうる」と認識されています。
保護者の方へ
お子さんのワクチンについて不安なことがあれば、いつでもかかりつけの小児科医に相談してください。ワクチンの種類が増えると、どれを選べばよいか迷うかもしれませんが、お子さんの健康を守るために最適な選択肢を一緒に考えていきましょう。