コロナ変異株
コロナウイルスえのワクチン接種も始まり、1日も早い収束を願うばかりです。
本日はコロナ変異株について、書きたいと思います。東京では都の取り組みでしょうか、変異株の流行を宣伝する宣伝カーが走っているのを見かけます。
宣伝カーには「N501Y変異株」の流行への注意喚起がなされています。この「N501Y変異株」って何のことなのでしょうか?
生物は基本的にDNA→RNA→アミノ酸→タンパク質という流れでできています。
スーパーで買ってくるお肉は「タンパク質」ですね。タンパク質はバラバラにすると「アミノ酸」になります。
逆に「アミノ酸」が並んで手を結ぶと「タンパク質」になるわけです。
私たちのからだは主にたった20種類のアミノ酸からできていて、全身のタンパク質はアミノ酸の配列の違いによって形や性質が異なるというわけです。
筋肉もタンパク質ですし、胃袋もタンパク質です。構成されるアミノ酸が異なるために硬さなどの性質が異なるのです。
「N501Y変異株」のNはアスパラギンというアミノ酸の略です。Yがチロシンというアミノ酸のことを意味しています。
501というのはアミノ酸の場所を意味してます。つまり「先頭からかぞえて501番目のアミノ酸が昔流行ったコロナウイルスはアスパラギンだったのだけれど、最近はチロシンに変わっているよ!」
というのが「N501Y変異株の流行」ということです。
このアミノ酸の変化が起きると何が起きるのでしょうか?
それがこの図なのです。このアミノ酸置換は人の細胞の表面にあるタンパク質(ACE2)にコロナウイルスに結合しやすいということが特殊な電子顕微鏡を用いて報告されました。
(Molecular Mechanism of the N501Y Mutation for Enhanced Binding between SARS-CoV-2’s Spike Protein and Human ACE2 Receptorより引用)
ウイルスは人の体の中で何万回と細胞分裂しますので、このような変異が一定の割合で起きてしまいます。その中で生存率が高い変異を有するものが生き残り流行変異株として残っていくと考えられます。
ユア・クリニックではこの変異株の検査も可能ですので気になることあればお問い合わせください。