小児肺炎マイコプラズマ肺炎の診断と治療に関する考え方
さいきんテレビなどで、マイコプラズマ肺炎のニュースを目にすることが増えてきていませんか?
日本小児科学会で、記事になっていたのでこちらにわかりやすく書き直してみました。
https://www.jpeds.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=36
ただ2013.2.19の記事なので10年前の記事です。すこし古いなと思うところには追記しています。
小児肺炎マイコプラズマ肺炎の診断と治療に関する考え方
最近、子どもたちの間で「肺炎マイコプラズマ」という病気が広がっています。この病気は2011年ごろから大流行し始め、今でも続いています。しかも、一部の菌が「マクロライド」という薬に対して効かない「耐性」を持っているため、治療が難しくなっています。
そこで、今回の診断と治療のポイントをわかりやすく説明します。
1. 正確な診断が大事です
この病気を正確に診断するためには、「LAMP法」という特別な検査を使うことが勧められています。この検査により、病気の原因となる菌をしっかりと確認することができます。
杉原注:現在では迅速キットで10分程度で抗原検査の結果をだすことができます。ただし、100%の正答率ではありません。正答率を求める場合には、コロナのようにPCR検査もできるようになっています。
2. 最初の治療薬はマクロライド系薬
治療の最初の選択肢として、マクロライド系という薬が推奨されています。これが効かない場合は、他の薬を検討しますが、8歳未満の子どもには一部の薬(テトラサイクリン系)が使えないため、慎重に判断します。
3. 効果の確認は2~3日以内に
薬を使って2~3日以内に熱が下がるかどうかで、治療がうまくいっているかを確認します。
4. 他の薬を使う場合の注意
もしマクロライド系薬が効かない場合は、他の薬を使うこともありますが、8歳未満の子どもには注意が必要です。また、肺炎は自然に治ることも多いため、薬の使い方には慎重になる必要があります。
5. 薬の使用期間を守りましょう
薬を使う期間は、それぞれの薬に推奨されている期間をきちんと守ることが大切です。
6. 重症の場合はステロイドも考慮
病気が重い場合には、ステロイドという薬も使うことがありますが、むやみに使うことは避けるべきです。
以上が、小児肺炎マイコプラズマ肺炎の診断と治療に関する基本的な考え方です。この病気は自然に治ることもありますが、正しい診断と適切な治療が重要ですので、必ず医師と相談して進めてください。