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新型コロナウイルスCOVID-19についての当院のスタンスです。他のウイルス検査もしない場合があります。 2020.03.06

[2020.03.06]

みなさん、こんにちは。院長の杉原です。こちらの内容は尊敬するそめや内科クリニックの院長ブログからインスパイアされて作成しました。

 

ついに、新型コロナウイルスCOVID-19のPCR検査が保険適応になりました。

ただし、どこの医療機関でも検査を実施してくれるわけではなく、全国に844ある「帰国者・接触者外来」を中心に、都道府県が指定する医療機関のみで実施されます。

こういった情報がマスコミによって、不正確な情報のまま、不安を煽るような報道が広がらないことを祈るばかりです。

もしかすると「不安なので検査してください」とユアクリニックに受診したくなる人も予想されます。

検査できる限られた医療機関に殺到する人がでてきてほしくないので書きます。

 

もしかするといずれ、私達のようなクリニックでも新型コロナウイルス検査ができるようになるかもしれません。

そんな状況を想定しながら書きます。

 

たぶん、当院では状況に変化がないかぎりは検査はしない方向です。

理由がいくつかあります。

1つは、そもそも新型コロナウイルス感染症にかかっていそうな背景や、身体の症状がでてない人にまで検査してしまうと、本当はいないのに、検査だけ(+)にでてしまい

不安と混乱がひろがっていくということ。またもし本当に陽性であっても陰性であっても治療がまったく変わらないこと。

もう1つは、鼻か喉に綿棒を突っ込んでグリグリする濃厚接触に極めて近い検査が必要になること、です。インフルエンザの迅速検査で同じような体験をした人がいると思います。

あとからくしゃみや咳がでたりすることは珍しくありません。

新型コロナウイルスCOVID-19にこういった検査をするには感染管理ガイドライン(新型コロナウイルス感染症に対する感染管理)に従う必要があります。

 

一部抜書してみましょう。

 エアロゾルが発生する可能性のある手技(例えば気道吸引、気管内挿管、下気道検体採取)を実施する場合には、N95 マスク(または DS2 など、それに準ずるマスク)、眼の防護具
(ゴーグルまたはフェイスシールド)、長袖ガウン、手袋を装着する

PPE個人予防装具

新型インフルエンザ発生時の医療機関における感染対策について 資料1 より抜粋

 

検査するにこのフルセットを着て、個室で採取し、感染しているかもしれないガウンを上手に脱いで、さらに安全なゴミ箱に別にわけて処分しなければなりません。

言葉では「検査する」ですけど、映像でみて、想像してください。気持ちもぎょっとしませんか?

たいていのコミュニケーションでは内容の映像や引き起こす感覚が全く送り手と受け手でことなるままに情報の受け渡しがなされてしまっています。

 

このフル装具、映画の中でみたことがあるかもしれませんね。「コンテイジョン」とか「アウトブレイク」とか。

そういうレベルなんです。

なので、普通のクリニックに常備している物品ではないのです。技術の習熟も全員ができているわけではありません。

つまり、こういう検査はユアクリニックに限らず、普通のクリニックでおこなっていい検査ではないと思ってほしいのです。

 

なのでそれに付随して、これまでおこなってきたインフルエンザの検査などもなるべく控えるようにしております。もしかしたらコロナ?というリスクが避けられないからです。

明らかに扁桃腺が腫れて膿がついている子ども、といった条件付きでは検査する場合もありますが、成人に対して検査しない場合があることもご承知いただけたら幸いです。

保険適用になっても検査対象は、厳密に選ばれた患者さんだけであって、熱があるからもしかしたらコロナ?とか思いつきレベルでは全くない、ということをご理解ください。

 

 

厚労省の高山先生が著作権フリーでQ&Aを公開しているのでそちらを抜粋させてもらいます。

 

新型コロナウイルスの診断に用いられるPCR検査について、明日(3月6日)から保険適用となります。いままでは保健所の適用判断による行政検査のみでしたが、今後は医療機関の医師が必要と判断すれば、保健所を介さずに検査できるようになります。

ただし、どこの医療機関でも検査を実施してくれるわけではなく、全国に844ある「帰国者・接触者外来」を中心に、都道府県が指定する医療機関のみで実施されます。このこと、総理すら理解されていなかった節があり、明日以降、医療現場で混乱があるかもしれません。

以下、このPCR検査と今後の医療体制について、Q&A方式で解説します。皆さま、どうぞ適正に医療機関を受診するようにお願いします。

問1 PCR検査の精度はどのぐらいですか?

臨床検査の精度管理には、いろんな指標があります。そのうち感度というものが重要な指標なので、これで説明します。感度とは「真の感染者に検査したとき、どれくらいが陽性になるか」というもの。裏を返せば、「見逃しがどれくらい出るか」という指標でもあります。

で、実は、新型コロナウイルス感染症に対するPCR検査の感度は高くありません。諸説ありますが、おそらく70%以下だと思われます。10人の感染者がいたとして、少なくとも3人は見逃すってことです。このことを理解いただいたうえで、以下を読み進めてください。

問2 なぜ、保健所による行政検査は制限されていたのですか?

地方における検査体制は無尽蔵ではありません。検査を行う機械も必要ですが、検査のための試薬も必要です。もちろん、検査技師も必要で、検体を運ぶ人も必要です。これまで医師が必要と判断しても、そのすべてを受け止めるだけの検査体制がありませんでした。今回、民間の検査機関が参入して、検査体制が強化されること自体は良いことだと思います。

問3 明日からは、検査を受けたい人なら誰でも受けられるのですか?

いいえ、誰もが受けられるわけではありません。症状が長引いていて、かつ医師が必要と認める患者さんだけです。公費が充てられるとのことで、自己負担はありませんが、そもそもは1回あたり1万8000円もする検査です。風邪症状だけで皆さんが使い始めたら大変なことになります。ただでさえひっ迫している社会保障費ですから、必要な患者さんに絞られるべきです。

問4 なぜ、一般のクリニックでは検査をしてくれないのですか?

民間の検査機関における体制も十分ではないからです。万一、検査依頼が殺到してしまうと、重症患者への検査ができなくなってしまう恐れがあります。ですから、感染が確認された患者さんの入院体制までが整った医療機関に絞っています。

もうひとつ、医療従事者を危険にさらすという問題もあります。PCR検査というのは、鼻やのどに綿棒を突っ込んで検体を採取します。そうすると、多くの人は激しく咳き込みます。このときエアロゾルと呼ばれるウイルスを含んだ粒子を大量に拡散させるんですね。

インフルエンザの検査であれば、サージカルマスクを着用していれば予防できるのですが、新型コロナだとサージカルマスクでは防ぎきれない可能性が指摘されています。小さなクリニックの診察室だと換気が不十分なこともあり、医療従事者の感染リスクとして心配されているのです。

さらに、十分な換気もしないまま、次の患者さんが診察室に入ると・・・ その患者さんすら感染してしまうリスクになります。ですから、このPCR検査は小さなクリニックで行うべきではありません。それなりの設備をそなえた医療機関でのみ行うべきなのです。

問5 軽症でも検査で診断すれば、外出自粛などの予防につながるのでは?

前述のように、PCR検査の感度は高くありません。見逃しが多いということです。検査をして陰性であれば、皆さん、自分は大丈夫だ、ただの風邪だと思ってしまいますよね。そうやって、外出を自粛せずに仕事をしたり、遊びに行ったりするかもしれません。これでは、感染拡大の原因になってしまいますね。検査結果によらず、誰しも症状があるあいだは、家で療養していただくことが一番なんです。

問6 とはいえ、診断してもらった方が安心なのですが?

よくわかります。原因不明の発熱ほど不安なものはないですよね。診断名を聞いただけで安心される患者さんもいらっしゃいます。たとえ治療できなかったとしても、見通しを伝えることだって医療の役割だと私も思います。

それでも、どうか症状が軽いのであれば、いまは診断を求めずに家で休まれていてください。症状の軽い人まで病院に集まってしまうと、待合室に人混みができてしまいます。ほとんどの人は新型コロナに感染していないでしょう。でも、そこには本物の感染者も混じっている可能性があるのです。

現時点において、皆さんが電車に乗っても、スーパーに買い物に行っても、新型コロナに感染する可能性はほとんどありません。そこまで地域流行していません。でも、唯一例外なのが病院の待合室なんです。新型コロナではなかったのに、病院に行ったばっかりに新型コロナに感染して帰ってくる。そんなことが起きてしまうことを心配しています。

ですから、病院に行かないことこそが感染拡大を防止するうえで重要なのです。病院に人混みを作らないことで、体調不良で受診してくる乳幼児や高齢者、基礎疾患のある人を守ってください。不安な方のためには、各都道府県が電話相談窓口を設置しています。県庁のウェブサイトなどで確認してみてください。

もちろん、症状が4日以上長引いているとか、倦怠感が強い、息苦しい、食事がとれないなど、症状が重いと感じるようでしたら、迷わず医療機関を受診いただいて結構です。

問7 軽症のうちに診断した方が重症化が予防できるのでは?

いいえ、早めに受診しても重症化を予測することはできませんし、軽症の段階から使用できる治療薬もありません。たしかに、重症患者に対して使われている薬剤(カレトラ、アビガンなど)はあるのですが、これら薬剤の効果については、まだ明確ではありません。風邪薬や抗菌薬などと比べると副作用の強い薬です。軽症者が内服することのメリットはありません。

たしかに、高齢者や基礎疾患がある方については、重症化するリスクが存在します。何らかの見守りが必要になることもありますから、体調のことで気になることがあったり、2日程度たっても症状が改善しないのであれば、(新型コロナ以外の可能性もふまえて)かかりつけ医に早めに相談することをお勧めします。

あと、お子さんを見守っているお母さん(とお父さん)。あなたの直観は正しいです。親として病院に連れて行った方がいいと思うなら、周囲がとやかく言うことではありません。迷わず受診させてください。ただし、「大丈夫そうなんだけど、念のため診断してもらおうかな」だったら、ゆっくり寝かせておいた方が良いかもしれません。

判断に迷うようでしたら、小児救急でんわ相談の短縮番号「#8000」をプッシュしてみてください。お住まいの都道府県の相談窓口に自動転送され、小児科医師や看護師から対処の仕方や受診する病院などのアドバイスが受けられます。

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※ このQ&Aについて、高山は一切著作権を主張しません。お役に立ちそうでしたら、どうぞ自由に引用/改変いただいて活用してください。

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