こころの問題
2019.8.22。
東京医科歯科大学で行われている、プライマリ・ケア医の勉強会に参加してきました。
お世話になった井出先生の講演を聴きにいったのです。
今回のテーマはPIPC。
聞き慣れない単語だと思います。Psychiatry In Primary Care.
人のこころの仕組みは複雑です。幼い頃からの葛藤や心理的な感情抑圧はしだいに慣れを生じます。
慣れていても自己抑圧はかかっている状態ですから、自分で感情のアクセルをふみながら、抑圧のブレーキをかけている状態です。
この余剰エネルギーはどこへいくのでしょう。人によっては絵画、創作に昇華される場合もあるでしょうが、身体にむくことがあります。
いわゆる心身症といったり自律神経障害といった名前をきいたことはないでしょうか。
軽度の身体の不調を感じている状態です。
私もメインは小児科専門医でやってきましたが、どうしてもご両親やご祖父母の病気の相談にのる機会があります。
そのためこのようなご相談を受ける機会が幾度もありました。
具体的には、
その症状の主なものとして疲労感、頭痛、関節痛、筋肉痛、動悸、めまい、腹痛、下痢などが挙げられている。
日常診療でこうした病因不明の症状の頻度は、関節痛 37%、背部痛 32%、疲労感 25%、頭痛 25%、腹痛 24%、めまい 23%といわれている (Kroenke、1993)
(医療教育情報センター 新しい疾患概念 機能性身体症候群 より)
といったことです。
これに対しては、まず一般的な病気の鑑別診断をおこない、どれも違うということがわかってから、どうやらストレスなど心の影響があるようだということを
適切な問診を通じておこなっていきます。
それが今回のテーマPIPCでした。私も10年前に学んだものでちょこちょこと活用していたのですが、やはりアップデートされておりとてもよい学びになりました。
患者さんにとっては身体の問題ですから、心療内科にいくわけではありません。
また心療内科に受診するということについて、心理的なハードルがある人もいるかもしれません。
内科以上、心療内科未満。そんなストレス性の問題が解決できるお手伝いができれば幸いです。