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救急隊の感染防止対策の推進についてはDPTをオススメします!

[2019.10.02]
2019年3月付けで消防庁より救急隊の感染防止対策の推進についての通知[消防救第49号]がありました。
 
ここに『職員の血中抗体検査及び必要時にワクチン接種が強く推奨される感染症』として、麻しん・風疹・ムンプス・水痘・B肝にならんで、破傷風が挙げられているため、対策をすることになっています。
 
 
 
当院では、単なる、破傷風トキソイドではなく、百日咳もカバーする、DPTワクチンを推奨しています。
 
その理由は、
2019年9月18日時点で、12,000人以上の百日咳が報告されており、重症化しやすい乳児を感染から守るためにも、DPTワクチンを利用することが救急隊員にも患者さんにとっても有益だと考えるからです。
 
 
かつてはDPTワクチンの承認が小児期の定期接種を前提とした使用方法に限られていました。
思春期以降に0.5mlの抗原量で接種を行うと局所反応を認めやすいこと等から、百日咳患者の増加に対して、追加接種を0.2mL等に減量して接種を行う方法が提唱されていた時代もありました。
 
現在では、各製薬会社が追加接種可能なDPTのワクチンの開発を行った結果、2016年2月に阪大微研が製造するDPTワクチン製剤(トリビック)が追加接種を可能とする効能効果の一部変更承認を得て2018年1月29日から国内での販売が再開されました(国内のDPT製剤はDPT-IPVの定期接種化に伴い、2014年12月に製造販売を中止)。
 
したがって、このDPT製剤を用いて承認された方法として0.5mL接種が可能です。
 
 
当院では、下記の対応方針を原則としています。
 
1968年(破傷風が定期接種化された年)以降に生まれた場合にはDPTで定期接種を行っている可能性が高く、基礎免疫があると判断した場合には、1回の追加接種
を行います。
 
追加接種による破傷風に対する予防効果は少なくとも10年は続くと考えられています。
 
 
破傷風の基礎免疫がない(過去に接種歴がない)可能性が高い、1968年以前の出生者に対しては(母子手帳の確認をしたうえで)破傷風に対しては3回の接種を推奨しています(3-8週以上の間隔で2回目、半年以上の間隔で3回目)。
 
現在は、トリビックの使用に年齢の制限がないため、成人においても3-4回の接種を全てDPTワクチンで行うことも可能です。
 
 
ただし、DPTワクチンは接種を繰り返すことにより局所反応が生じやすく、
 
ジフテリア及び百日咳の基礎免疫があると考えられる場合(ジフテリアは1948年から、百日咳は1950年から定期接種化したことを年齢から勘案し、かつ明らかな局所反応が生じた場合)、DPTワクチンで初回の接種後、2回目と3回目は破傷風トキソイドを使用することを原則としています。
 
 

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