電子タバコは健康にいいですか?
今回はよく耳にすることが多くなってきた電子タバコについての話題を提供したいと思います。
電子タバコってそもそもどんな種類がありますか?
よく耳にするiQOS(アイコス)は電子タバコなのか?
…ということに関して多くの方が「YES」と答えると思います。
しかし調べてみると、iQOSは非燃焼・加熱式タバコに分類され、電子タバコとは違うものとされています。
下の表は電子タバコと非燃焼・加熱式タバコを分けた表になります。
電子タバコ | 加熱式タバコ | |
中身 | リキッド | タバコ葉 |
ニコチン・タール | 含まれない | 含まれる |
●電子タバコ
液体(リキッド)を加熱してエアロゾルを発生させて吸引するものです。
海外では液体にニコチンを含むものが販売されていますが、日本では販売されていません。
●非燃焼・加熱式タバコ
①タバコ葉を直接加熱しニコチンを含むエアロゾルを吸引するタイプ(商品:iQOS、glo)
②低温で霧化する有機溶剤からエアロゾルを発生させ、
タバコ粉末を通過させタバコ成分を吸引するタイプ(商品:Ploom TECH)
の2種類があります。
健康にはどうなのか?
非燃焼・加熱式タバコには、従来のタバコと同レベルのニコチンや揮発性物質が含まれるとされています。
ニコチンは依存形成作用だけでなく、胎児発育に悪影響をもたらし、心臓病の原因ともなります。また、発がんの「促進因子」としても認識され癌進行悪化につながるとされています。
2019年9月にアメリカのCDC(The Centers for Disease Control and Prevention)から医療従事者に電子タバコに関する注意喚起がでました(https://emergency.cdc.gov/newsletters/coca/081619.htm)。
咳や息切れや倦怠感などの軽い症状から入院を要する呼吸器疾患まで様々な症状が電子タバコに関連して生じたとのことです。しかし、患者はアメリカで診断された人で、多くの患者でカンナビノイドという大麻草に含まれる化学物質を吸引していたとのことです。
日本ではカンナビノイドは禁止されており、一概に日本の患者さんに当てはめることは難しいですが、
非燃焼・加熱式タバコでは先に述べたニコチンの含有量も変わらないことからも、喫煙をする人・受動喫煙をする人にも健康を害する可能性もあるので注意が必要です。
当院では禁煙外来はありませんが、ユアクリニックお茶の水では禁煙外来も開設しておりますので、気軽にご相談ください。
(文責:宮内)