え、まさか?!令和に「はしか」流行の兆し?
小児科専門医の杉原です。
今回は、最近報告された「はしか」の感染例について、皆さんにお話ししたいと思います。
はしか、再び?油断できない感染症
最近、栃木県宇都宮市で1歳のお子さんが、そして福岡市で30代の男性が「はしか」に感染したというニュースがありました。
「はしか」って、昔流行った病気じゃないの?もう心配ないんじゃないの?
そう思われた方もいるかもしれませんね。でも、残念ながら、そうではないんです。
はしかは、非常に感染力が強い病気で、発熱や発疹(ほっしん)などの症状が出ます。
「麻疹ウイルス」というウイルスが原因で、空気感染でうつります。
空気感染というのは、ウイルスが空気中を漂って、それを吸い込むことで感染するということです。インフルエンザよりも、ずっと感染力が強いんですよ。
例えば、同じ部屋にいただけで、免疫を持っていない人はほぼ確実に感染してしまうと言われています。
今回のケースから学ぶこと
今回、福岡市で感染された30代の男性は、海外への渡航歴がないとのこと。つまり、国内で感染した可能性が高いということです。
これは、私たちの身の回りにも、はしかのウイルスが存在する可能性があるということを示しています。
はしかってどんな病気?
はしかにかかると、以下のような症状が出ます。
- 発熱
- 咳、鼻水
- 目の充血
- 発疹(赤いブツブツ)
最初は風邪のような症状ですが、その後、高熱が出て、体に赤い発疹が出てきます。
合併症として、肺炎や脳炎などを起こすこともあり、決して油断できない病気です。
はしかから子どもたちを守るために
はしかから子どもたちを守るために、最も有効な方法は「ワクチン接種」です。
定期接種として、1歳と小学校入学前の1年間の2回、麻疹風疹混合(MR)ワクチンを接種することになっています。
もし、お子さんがまだワクチンを接種していない場合は、早めに接種するようにしましょう。
また、大人の方も、ご自身の免疫が心配な場合は、医療機関で相談してみてください。
もし、はしかのような症状が出たら
もし、発熱や発疹など、はしかのような症状が出たら、まずは医療機関に電話で相談してください。
直接病院に行くと、他の人に感染させてしまう可能性があります。
医療機関の指示に従って、受診するようにしましょう。
最後に
はしかは、ワクチンで予防できる病気です。
私たち一人ひとりが、正しい知識を持ち、適切な予防策をとることで、はしかの流行を防ぐことができます。
何か心配なことがあれば、いつでもお近くの医療機関にご相談ください。