新型コロナウイルスに感染したお子さんが「自宅療養」される際のポイント
[2021.09.08]
小児科医の杉原です。
■国立成育医療センターHPに
新型コロナウイルスに感染したお子さんが「自宅療養」される際のポイントが掲載されているので転載しておきます。
千代田区でもいくつかの保育園で新型コロナウイルス感染が見受けられます。みなさん、感染しても元気いっぱいなのが救いです。
お子さんが新型コロナウイルス感染症にかかり、大変心配な状況かと思います。ご自宅でお子さんを看病する際の観察のポイントや、ご家族が気を付けるべきポイントについてまとめましたので、参考にしていただければ幸いです。
新型コロナウイルスに感染したお子さんの観察のポイント
- お子さんの新型コロナウイルス感染症は多くの場合は軽症です。
- お子さんのご機嫌、食欲、顔色、呼吸のようす(息苦しそうでないか、胸がべこべこへこむような呼吸になっていないか)などを観察して下さい。ご機嫌がよく、食欲があり、顔色が普通であれば基本的には心配いりません。
- 逆に、意識がはっきりしない、機嫌が悪い、食欲が低下している、水分がとれない、顔色が悪い、息苦しそう、嘔吐を繰り返すなどの場合は担当保健所、またはかかりつけ医に早めに相談してください。
ご家族に感染を広げないために気を付けるべきこと
東京都が、自宅療養者向けのハンドブックを公開1しています。大変わかりやすいので是非参考にして下さい。その中で挙げられている、自宅での感染予防8つのポイントを示します。
特にお子さんのケアをする際に重要なポイントは、以下になります。
- 2歳未満のお子さんへのマスクの着用は、息が詰まるなどの危険があるのでやめましょう。2歳以上のお子さんの場合は、お部屋で1人で休んでいる時にマスクをつける必要はありませんが、ご家族がお子さんのお世話をする際には、可能であればお子さんにもマスクをつけましょう。もちろん、お世話をするご家族のマスクは必須です。
- マスクの着用については、お子さんの症状がでてから10日間、もしくは症状が治まってから3日間、どちらかの期間の内、長い期間が過ぎたら外してもかまいません。
- 新型コロナウイルスは便にも排出されます。小さいお子さんの場合、おむつの取り扱いには気をつけましょう。おむつ交換の際にはおむつ交換用のシートを使用するか、交換後の清掃をしましょう。おむつを捨てる際にはビニール袋で密閉し、さらにもう1枚のビニール袋で2重に密閉して捨てるようにしましょう(使用済みマスクや、鼻をかんだティッシュなども同様です。ゴミの捨て方については環境省が出しているポスター2が一部参考になります。また、おむつや使用済みマスク、鼻をかんだティッシュの処理をしたあとは必ず石鹸で手を洗いましょう。一方で、トイレトレーニングが終わっているお子さんの場合は、トイレで用を足したあと、蓋をしめてから水を流すようにしましょう。トイレを使った後は家庭用の洗剤でしっかりと掃除をし、そのあと手洗いをお子さんと一緒にしましょう。
- 体を拭いたり、排泄物の処理をしたりする際にはマスクに加え、可能であれば使い捨てのエプロンや手袋を使うようにしましょう。最後に石鹸で手をしっかりと洗うことが重要です。
- お子さんを抱っこする場合、添い寝をしないとお子さんが寝られない場合、ご家族はマスクを着用し、可能であれば使い捨てのエプロンや手袋を使うようにしましょう。
- 歯磨きの際には、歯磨き粉の家庭内での共有を避けましょう。
- 洗顔や入浴の際のタオルやバスタオルの使いまわしも避け、ご家族それぞれに別のタオルを使用しましょう。
- 暑い日には、マスクなどの着用により熱中症にならないように、部屋の温度に配慮して、冷房を適切に使用しましょう。
【出典】
- 新型コロナウイルス感染症自宅療養者向けハンドブック 東京都iCDC専門家ボード 令和3(2021)年1月(東京都福祉保健局)
- 新型コロナウイルスなどの感染症対策のためのご家庭でのごみの捨て方 環境省