「消毒とガーゼ」撲滅宣言
[2019.06.14]
当院での湿潤療法のとりくみ
2005年あたりから、ずっと湿潤療法を続けています。
湿潤療法ってなあにという人はこちら。
当院ではプラスモイストを創傷被覆材として準備してあります。
「なつい式湿潤療法®」の条件
創面の消毒など
- 水道水洗浄する。
- 熱傷,一般外傷を問わず傷の消毒はしない。感染創であっても消毒しない。
- 創面をボディーソープなどの界面活性剤で洗わない。
- 創面の被覆
- 創面を乾燥させない創傷被覆材(ハイドロコロイド被覆材,プラスモイスト®,ズイコウパッド®,ハイドロサイト®など)で創面を覆う。
- 浸出液の量により被覆材を選択する(例:浸出液が多い場合は吸収力の高いズイコウパッド®,プラスモイスト®,ハイドロサイト®などを選択)。
- 以下のような,通気性が高く,基本的に単独使用では創面を乾燥させる治療材料は使用しない。
- ガーゼ
- ソフラチュール®,シリコンガーゼ
- メロリンガーゼ®
- その他の通気性のある治療材料
外用剤
- 使用する外用薬はワセリン(プロペト®)と油脂性基剤の外用薬(ステロイド軟膏,ゲンタシン軟膏®など)のみ。
- 消毒薬と消毒液を含む外用剤(イソジンゲル®,カデックス軟膏®,ユーパスタ®など)は絶対に使用しない。
- クリーム基剤の外用薬(ゲーベンクリーム®,エキザルベ®,ヒルドイドソフト®など)は絶対に使用しない。
クリーム基材の外用薬は合成界面活性剤を含むため,創面に塗布すると細胞膜を破壊し,傷を深くする。すなわち,クリーム基材の外用薬は化学的・生物学的には創面破壊薬である。
-
- フィブラストスプレー®は絶対に使用しない(患者に拷問級の激痛を与え,治療効果も疑わしいため)。
- 創感染した場合の対処
- 消毒薬,消毒薬含有外用剤は使用しない。
- 抗生剤を投与(経口投与,点滴)する。
- 感染源(熱傷水疱,壊死組織,異物など)を見つけて除去する。