メニュー

新型コロナ 学校再開後 児童・生徒242人感染

[2020.08.07]

小児科医の杉原です。

『新型コロナ 学校再開後 児童・生徒242人感染』


 「感染した児童・生徒242人のうち、症状があったのは50%(120人)で、重症者はいなかった。」という点が重要です。

なぜ、症状がない児童も検査したのか。

おそらく、濃厚接触者の可能性が高いと判断して検査をして判明したと推測されます。

そうなると、市中にはもっとたくさんの不顕性感染の児童・生徒がいるのだろうと当然、予測されます。


ここで、考え方が別れますが、頭の中でささやかれる言葉が
「だからどこで子どもからうつされるかわからなくて怖いィィぃーッ」だと、行動は「子どもを排除しろッ」という結論にとびつきがちです。

しかし、小児科医としては基本的にこどもの大半は症状がないか軽いのだ、という考えに至りました。



 また「「学校内感染」は11人で全体の5%にとどまり、」とあります。

つまりこのことから、学校生活の中で子ども同士で爆発的に広がる感染様式ではなさそうです。

 

となれば、一人生徒に検査陽性者が見つかったからと言って、学校全体を閉じるという措置が適正かどうかはしっかりと議論する余地があります。



それについては文科省からの通知があります。

「感染経路の不明な感染者数の増加が見られる地域等においては、児童生徒等及び教職員本人に風邪症状がある場合のみならず、その同居家族に発熱等の風邪症状がある場合にも、登校しないよう徹底します。」

 

これまでのデータをみると、重症化する人は高齢者、慢性の病気をかかえている人です。なので、学校の現場では健康な生徒よりも、病気をかかえた生徒や年配の先生方への感染対策のほうが命を救う率としては重要かもしれません。

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME