科学的根拠に基づく予防医療のすすめ
医学は進化します。
亀田総合病院の八重樫先生から予防医療の最前線のお話をうかがったので、こちらでもお伝えしようと思います。
ヘルス・メンテナンスの定義
病気を防ぎ、最大限の機能を維持し、健康を増進するためのシステマティックなプログラム。1次から3次、急性期から慢性期まですべての医療機関において医療の中心を成す。
これまで医師は、原則として病気になったヒトだけを対象にしてきました。保険診療という仕組みも病気になったヒトが対象であり、病気を予防するという仕組みはもっぱら予防接種や地域の検診という行政レベルによってまちまちのサービスが提供されるにすぎませんでした。
しかし、これからは積極的に健康を維持するという形が求められてくるはずです。国民の人数が減って、税金も減ります。日本の経済はあたかも年収600万円の家庭で毎年1000万円消費しているというやばい状態ですから、いずれ緊縮財政は医療を例外にせず行われてくるはずです。
病気になってから大きな手術や長い療養にお金をかけるよりも、ワクチン1本で大きな病気を防いだり、早めの検診で病気を見つけることができればコストパフォーマンスに優れます。
このあたりは米国が得意でして、USPSTF(Unitited States Preventive Services Task Force) 米国予防医学作業部会という組織があります。この組織は米連邦保健福祉省がサポートしており、予防医療のエビデンスを総括/推奨しています。成人では12のカテゴリーと95のトピックスを扱っています。5年毎に改訂し、継続するか、中止するかを決定しており、批判的吟味がしっかりしています。
八重樫先生からは
がんとワクチンについてお話をうかがったのですが自分の専門に近いワクチンついてここでは述べていくことにしましょう。