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赤ちゃんの頭のかたち、自然に治るの?

[2025.03.23]

赤ちゃんの頭のかたちが少し左右非対称だったり、後頭部が平らだったりすることに気づいて、心配されるご家族は多くいらっしゃいます。今回は「赤ちゃんの頭のゆがみ(位置的頭蓋変形)」について、小児科医の立場からわかりやすくお話しします。

「自然に治る」とはどういうこと?

まず、「自然に治る」という言葉のとらえ方に注意が必要です。多くのご家族が思い描く「正常な丸い頭の形」に完全に戻る、という意味での「治る」ではない場合があります。

医学的には、頭のゆがみは2〜3歳くらいまでに少しずつ「改善」していくことがあると言われています。この「改善」とは、今の状態から少しずつ目立たなくなるという意味であって、完全に元通りになるという意味ではありません。

軽度なら自然に気にならなくなることも

軽いゆがみであれば、赤ちゃんの成長とともに髪の毛が増えたり、頭の大きさが変わったりすることで、だんだん目立たなくなるケースがよくあります。赤ちゃんは動きが活発になり、いろいろな方向を向くようになりますので、特定の部分だけに圧力がかかり続けることが減ってくるからです。

でも、注意が必要なケースもあります

一方で、月齢が進んでからも中等度以上のゆがみがある場合は、自然に大きく改善することは難しくなってきます。 特に、生後6か月を過ぎてからは頭の骨がかたくなり始めるため、改善の幅が小さくなってきます。

そのような場合には、「ヘルメット治療」といって、専用の頭の形を整える装具を使った医療的な介入を検討することもあります。ただし、この治療にも時期や条件がありますので、小児科や専門医とよく相談することが大切です。

日常生活でできる工夫は?

「ヘルメット治療をしないで、少しでも改善を目指したい」とお考えのご家族には、赤ちゃんの頭にかかる圧力のバランスをとるような生活環境の工夫が有効です。たとえば、

  • 寝かせるときに、毎回同じ方向ばかり向かないようにする

  • 授乳のとき、左右の抱っこの向きを交互に変える

  • うつぶせ遊び(タミータイム)を取り入れる(※必ず目を離さずに)

といった工夫が、軽度のゆがみの悪化を防ぐ助けになります。

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