赤ちゃんの首の傾き、もしかして斜頸?向き癖との違いと早期治療の重要性
こんにちは!小児科専門医の杉原です。
今日は、赤ちゃんの「斜頸(しゃけい)」と「向き癖」についてお話しますね。
「斜頸による向き癖は治療が必要ですか?」というご質問ですね。
結論から言うと、斜頸は様々な要因で生じますが、特に生後1ヶ月前後の赤ちゃんに見られる斜頸の主な原因は「筋性斜頸(きんせいしゃけい)」というもので、治療が必要となる場合があります。
斜頸ってどんな状態?
斜頸とは、赤ちゃんが常に顔を左右どちらかに向け、首をかしげた状態のことです。
首の筋肉が左右どちらかに引っ張られているため、顔の向きが一方向に偏りがちになり、結果として向き癖と同じような影響が出てしまうんですね。
例えるなら、誰かに肩を片方だけ引っ張られているような状態です。
なぜ治療が必要なの?
斜頸を放置すると、以下のような合併症を引き起こす可能性があります。
- 斜頭症(しゃとうしょう): 頭の形がゆがんでしまう
- 顔面非対称: 顔の左右のバランスが悪くなる
- 発達の遅れ: 首の動きが制限されることで、運動発達が遅れる
これらの合併症を防ぐためにも、早期の治療が大切なんです。
早期発見・早期治療が大切
赤ちゃんの頭の形に関わらず、「いつも同じ方向しか向かない」「首をかしげている」などの斜頸を疑う症状が見られた場合は、早めに小児科または整形外科のある専門医療機関に相談しましょう。
生後早期に斜頸と診断された場合は、斜頭症の合併や重症化を防ぐためにも、大学病院など専門的な医療機関を受診し、斜頭症の予防や改善のアドバイスを受けることをおすすめします。
早期に適切な治療を受ければ、ほとんどの場合、合併症を防ぎ、良好な経過をたどることができます。
赤ちゃんの首の傾きや向き癖が気になる場合は、一人で悩まずに、専門医に相談してくださいね。