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花粉症の治療について(漢方薬を含む)

[2024.01.19]

いよいよ花粉症のシーズンが到来します。

経口免疫療法シダキュア(スギ)を始めた方は、この効果が実感できる季節ですね。
全く症状がなくなった人もいらっしゃいますし、点鼻スプレーだけでコントロールできるようになった、などのうれしい報告を毎年みみにしています。

基本的な花粉症治療の戦略はアレルギー性鼻炎ガイドラインに基づいています。
https://www.jsaweb.jp/huge/allergic_manual2022.pdf
しかし日本のガイドラインもよいのですが、国際的な論文のほうが忖度もなくズバッと本音を書いてくれている気がします。
ALLERGIC RHINITIS THE LANCET, VOL 378, DEC.17/24/31,2011

基本的な戦略をご説明いたしますと

ステロイド点鼻が土台になります。
・点鼻ステロイド(特に fluticasone: フルナーゼ、アラミスト)は全ての鼻症状に有効であり全身副作用も小児でも少ないのです
・第1世代抗ヒスタミン剤(レスタミン、ドラマミン、タベジール、ポララミン、ヒベルナ、アリメジン、アタラックスP、ペリアクチン)は作業効率低下、児の学業成績不振を起こすので原則だしません。
・薬の有用な順は点鼻ステロイド>免疫治療>点鼻抗ヒ剤>montelukast
です。

つまり点鼻ステロイドをベースに治療をかんがえればよいでしょう。
免疫療法は昔は注射でしたが、いまは経口免疫療法がありますね。

鼻閉に有効なのはmontelukast(シングレア、キプレス)と血管収縮薬(プリビナ、コールタイジン、トーク)です。一方、点鼻ステロイドは全ての鼻症状に有効です。
鼻水に有効なのは内服や点鼻の抗ヒスタミン剤です。

軽症なら、内服抗ヒスタミン剤
中等症以上なら点鼻ステロイドをいれたうえで、鼻汁つよければ抗ヒスタミン剤、鼻閉がつよければモンテルカストを追加するという形がベースになります。

また処方箋ではだせませんが生食による鼻の洗浄(nasal douching)も有用で、とくに妊婦や小児で薬の量を減らしたい時に併用するのが有効です。

また外国の論文には書いていない、日本独自の強みとして漢方治療があげられます。
こちらの治療戦略もオープンにしておきましょう。
上の薬だけで効かず、内服ステロイドにいくまえにつかえる手段として有効ですし
妊婦さんにも使う手段が増えます。

基本的には小青龍湯にしていますが
パワーアップさせて小青龍湯+五虎湯
これでもきかなければ大青龍湯(越婢加朮湯+麻黄湯)にしています。
ぎゃくに冷えると花粉症の症状がでるという方には
小青龍湯+麻黄附子細辛湯であたためる方剤にしています。

また、アレルギー性結膜炎で目のかゆみが強い人には
普通は点眼の抗ヒスタミン剤、ステロイド点眼剤などをつかうのですが
越婢加朮湯でも改善が期待できます。

鼻閉に対しては葛根湯加川きゅう辛夷を使います。

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